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【京都市山科区】縁起がいい? 悪い? 街中で見かける椿を調べてみたら、京都の地域性と歴史が見えてきた

苑麻地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

山科区は、上京区・中京区・下京区などのいわゆる洛中に対して洛外の位置にあり、マンションやビルが多い市街地よりも住宅地が多く、田畑があちらこちらに残っています。

山科区は昭和6年(1931年)4月に宇治郡山科町から京都市東山区に編入され東山区山科町になり、名神高速東インターチェンジの開設から人口増加をたどり、昭和51年(1976年)10月に東山区から旧山科地域を山科区として分区されました。(参考:京都市

昭和の高度経済成長期に農地転用が多かったためか、洛中に比べて山科区は庭付きの家が多く、庭がなくても生け垣がある家もよく見かけます。冬のこの時期に目を引くのが椿の生け垣です。冬でほかの花が咲かない時期ということもあって、赤い花はあちらこちらで目立っています。

椿の花はポトリと花ごと落ちることから「縁起が悪い」ともいわれますが、二代将軍 徳川秀忠は椿好きと知られ、冬の時期に凛として咲くため生命力を感じる花として縁起が良いとも言われています。豊臣秀吉も伏見城に数多くの種類の椿を植えたことからも、武士の間で人気があったとのことです。

調べてみると、椿の縁起の良し悪しは地域性もあるのですが(参考:国立国会図書館)、京都では椿は平安時代から貴族の間では高貴な花・吉祥の花と言われており、寺社仏閣にも植えられていて、屏風絵などでも多く描かれています。

そのためか、幼稚園や小学校といった教育施設にも椿を植えられているのを、京都市内の街中でも見かけます。

赤い実が生る南天も「難を転ずる」ということから、厄除けとして人気なのですが、山科区内では椿よりも見かけることが少なく、椿は人気があるのがわかります。

京都は御所もあり貴族文化が根強くあるので、椿が重用される要因の一つの理由なのかと思うと、意外な地域性が見えてきて面白かったです。

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

地域ニュースサイト号外NETで京都市山科区・東山区のライターをしています。過去6回の引っ越しもすべて京都市内という、京都LOVERな京都生まれの京都育ち。元不動産営業&ライターという地理勘と経歴を生かし、「観光地としての京都」・「地元民から見た京都」のメジャー&ニッチな情報の発信を目指しています。「古き良き祇園」・「フォトジェニックな旬なスポット」・「日常の地元情報」と、さまざまな山科区・東山区のトレンド情報をお届けしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

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