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【NHL】史上初!8月のプレーオフ!! 「コロナイヤー」の王者に輝くのは、どのチームだ?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
NHLは3月11日(現地時間)以来の公式戦を8月1日から再開する(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 新型コロナウィルスの影響は、世界各国のスポーツ界に及んでいます。

 北米4大スポーツに数えられるNHL(ナショナル ホッケーリーグ)も例外でなく、3月11日(現地時間)の試合を最後に、レギュラーシーズンが打ち切られてしまいました。

▼24チームがプレーオフへ!

 本来は82試合を戦うレギュラーシーズンも、チームによって試合消化数が異なり、少ないチームは68試合。多いチームは71試合と、最大3ポイント(勝点6)分の差が生じました。

 そのため今季は、オーバータイムまで及んだ末の敗戦に与えられる1ポイントを含めた総獲得ポイントを、試合消化数で割った「ポイント獲得率」によって順位を決定。

 さらに、従来はイースタンとウエスタンの両カンファレンスから「上位8チーム(合計16チーム)」が、プレーオフに進んでいましたが、今季は試合消化数も異なるため、両カンファレンスの上位12チーム(合計24チーム)が、プレーオフを戦います。(筆者注:現地のメディアも表記が異なることから、従来どおりプレーオフと表記)

例年より8チーム多い24チームによるプレーオフ(Courtesy:en.wikipedia.org)
例年より8チーム多い24チームによるプレーオフ(Courtesy:en.wikipedia.org)

▼上位4チームがシードされる!

 プレーオフに進む24チームのうち、下記のイースタンとウエスタンの上位4チームは、揃ってシードされます。

 カンファレンスの5位以下の20チームは、クオリファイ ラウンド(上に記載したトーナメント表の一番左側の対戦カード)と呼ばれる予備戦で、次のラウンド進出を目指します。

▼5つのラウンドで王座を決める!

 クオリファイ ラウンドは、両カンファレンスのシード4チームを除き、「5位vs12位」、「6位vs11位」、「7位vs10位」というように、レギュラーシーズンの順位に応じて対戦カードが決定。ベストオブ5(3戦先勝方式)で勝敗を決します。

 その後のラウンドは、従来のプレーオフと同様に、ベストオブ7(4戦先勝方式)によって行われます。

 

▼カナダだけで王座を決める!

 今季は新型コロナウィルスの影響から、国境を越える際の検疫などの手続きにより、例年にも増して日数を消化してしまうことが懸念材料になっていました。

 NHLは対応策を考慮し、アメリカよりも感染者が少ないカナダのトロントエドモントンバンクーバーを試合会場に指名。

 この3都市を複数のチームが集まって試合を開催する「ハブシティ」と定め、カナダの都市だけでプレーオフを開催する予定でした。

 ところが、選手やチームスタッフなどの中に、新型コロナウィルスの感染者が出た際の緊急対応に関して、感染者が増加傾向にあったブリティッシュ コロンビア州の保健局と合意に至らず・・・。

 そのため、バンクーバーでの開催を断念し、トロントとエドモントンでの開催となりました。

▼NHLも「無観客試合」で開催

 NHLも他のスポーツと同様に、テレビとラジオの生中継はあっても、スタンドに観客の姿は見られません。

 観客の姿がないアリーナ内に、普段は見られない装飾が施されているのが、逆に「無観客試合」であることを助長しているように、見えてしまいます・・・。

▼最後の31チームでのシーズン

 プレーオフに先立って、NHLは来季から新チームシアトル クラーケンが、アメリカ西部のワシントン州をホームとして加盟すると発表!!

 シアトルが加盟すると、NHLは「32チーム体制」となり、NFLと並んで北米4大スポーツの中で最も多くのチームが王座を目指すビッグリーグとなります。

 そのため来季以降は、さらに王座への道が険しくなるだけに、最後の31チームによる戦いを勝ち抜いて、史上初めての8月のプレーオフを制するのは、どのチームか!? 例年にも増して注目が高まります!!

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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