予想外の円安進行、その要因とは
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17日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は一時、148円52銭と23年11月末以来の円安・ドル高水準を付けた。また、ユーロ円も一時は161円28銭と23年12月初め以来の円安・ユーロ高水準を付けていた。
この円安については想定外とする向きも多かったのではなかろうか。
FRBやECBなど欧米の中央銀行は早期に利下げを開始するとの予想が強まり、日銀は早ければ1月にもマイナス金利を解除するとの予想も出ていた。これにより欧米と日本の金利差が縮小し、円高が進行するとの予想が強まった。
実際にドル円は昨年11月13日の151円91銭がピークとなり、その後は円高ドル安が進行し、12月28日には140円25銭まで低下した。しかし、140円は割れることはなく、年が変わってからは再び円安ドル高の圧力が強まって、148円台を回復している。
ドル円のチャートを見る限り、このまま昨年11月13日につけた151円91銭を目指すような動きも予想される。
17日に円安が進行した要因に、英国債の下落があった。英国債の下落や12月の米小売売上高が予想を上回ったことも相まって、欧米の長期金利が上昇し、日本との金利差が意識された。
英国債の下落の要因は、英統計局が17日発表した英国の2023年12月の消費者物価指数であった。前年同月比で4.0%上昇し、前月からの伸び率は2月以来10カ月ぶりに拡大したのである。
賃金上昇の影響を受けやすいサービス価格が前年同月比で6.4%上昇するなどしており、一時的な要因とかによるものではない。
物価そのものが高止まりする可能性も意識され、欧米の長期金利が再び上昇してきた。さらに日銀はマイナス金利解除などの修正には動く気配がない。これによって欧米との金利差が再拡大しており、ここからさらなる円安となる可能性も意識されよう。