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「ハモネプ2023」に韓国から参戦 【延世大学とは?】 出身OB J.Y. PARKの「学生時代」

(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

27日にフジテレビでオンエアされた『ハモネプ2023大学日本一決定戦!』。

大学生グループの中から厳選された12グループが“日本一”を目指してボーカル、アレンジ、テクニック、リズムなどのパフォーマンスを競い合う番組だ。

ここに今回は韓国の延世(ヨンセ)大学のグループ「チンチャ(=「本当」「本物」の韓国語)」が出場し、1979年に日本でリリースされた松原みきの「真夜中のドア~Stay With Me」を披露した。

J.Y. PARKの母校としても紹介された延世大学。いったいどんな大学? 彼はどんな大学生活を送った?

延世大学正門前 筆者撮影
延世大学正門前 筆者撮影

超一等地にある「3大名門校」=日本の慶応大学のイメージ

延世大学は一般的には「ヨンデ(延大の韓国語読み)」と呼ばれる。

韓国私立大学の屈指の名門。日本の慶応大学に度々比せられ、実際に姉妹提携もしている。慶応と同じく、国内最初の私立大学であり、洗練された都会的なイメージがある。

韓国内では国立のソウル大、私立の高麗大と並び「SKY」と呼ばれる最高位名門大の地位にある。キャンパスのある新村(シンチョン)は、梨花女子大、西江大など他の名門大学も拠点を置く、ソウルの超一等地に位置する。

それだけに入試難易度も高い。韓国には"偏差値"が存在せず、大学の評価は一般的に海外メディア、調査機関などの評価値を基準に決められるが、常に延世大学は上位。時に韓国国内の大学評判調査ランキングではソウル大を抜いて1位になることも。

参考記事:【韓国の大学を大調査】”偏差値なしの国”での人気ランキング=出身有名芸能人リスト付き

J.Y. PARKも「ほぼオール5」から進学

番組で紹介されたJ.Y. PARKも中学校の時からテストの平均点が「94点」というほど成績優秀で、当時の通知表は上から「秀」「優」「美」「良」「可」の5段階評価がなされるなか、ほとんどが最上の「秀」だったという。

一方高校時代から音楽とダンスにより熱中し始めたJ.Y. PARKは、父親とある「取引き」をした話は韓国でつとに有名だ。「放課後、2時間だけ好きなことをして、その後は親の言うことを聞くこと」。彼は2時間、クラブで踊り尽くし、その後は父の車に乗って塾の自習室に直行していたのだという。延世大学とは、そんな努力をしてまで目指すべき名門なのだ。

  • 延世大学の学祭出演は超一流アイドルの証でもある。2016年のTWICE出演時のレジェンド動画。これ学内のステージだ! 

J.Y. PARKはその後、1990年に延世大学の地質学部(現地球システム学部)に合格し、進学した。音楽活動によりハマり、在学中の1992年に一度「パク・ジニョンと新世代」としてデビューする。

活動が忙しくなり、理系の学業を続けることが難しくなった。それでも勉学への情熱もあったJ.Y. PARKは、京畿大学政治学部への転学を決意する。「文転後」は学業と活動を両立させ、大学卒業後の延世大学大学院政治学科への入学を勝ち取る。延世大学の教授陣が成績優秀で勉強熱心な彼の姿勢を認めた結果だという。

大学院進学後は、師事していた作曲家の事務所から再デビュー。その過程で「延世大学院生」の彼がSMエンターテインメントのオーディションの落選した話はつとに有名だ。”独特なルックス”によりなかなか合格が掴めない中、J.Y. PARKの自曲パフォーマンスを見た当時のSM代表イ・スマン氏は合格させるかかなり悩んだ。結果「曲だけ売ってくれない?」と申し出たが、J.Y. PARKは「売りません!」と激怒。そのまま帰ってしまった。

後に二人は和解し、イ・スマン氏は「また来ると思ったけど来なかった」とし、J.Y. PARKは「今でも呼んでくれればオーディションを受けに行きますよ」と冗談で返している。

  • 大学公式のPR動画。タイトルは「答えを見つけ出せる人たち」。J.Y. PARKも出演!

その後J.Y. PARKは音楽活動が忙しくなり、大学院を中退した。韓国では「早くに職業の道を見つけての中退」は「OB」と見なされる傾向が日本より強いため、一般的には「延世大OB」として見られている。

いっぽう、延世大学は名門ながら日本でも知られる出身芸能人が意外と少ない(政財界、スポーツ、韓国で有名な芸能人など各方面に本当に多いのだが)。他にはドラマ「サイコだけど大丈夫」で主人公に片思いする看護師ジュリ役を演じた女優のパク・ギュヨンがいる。彼女もまた釜山外国語高校出身の才女だ。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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