韓国「日本行き500%爆増」「36%が日本」「人気トップは東京じゃない…」 政府の水際対策緩和で
「10月には日本も自由旅行になるんだろ? あ~行きたい」
「ドン・キホーテ行って、ラーメン食べて、ビール一杯やりたい」
9月に韓国を訪れたが、幾度もこういった話を聞いた。
日本政府が10月11日から海外からの入国者に対する規制を緩和。入国時コロナ検査、隔離、公共交通機関の不使用を求める、といった処置を無くした。
日本のメディアではこれに対し「水際対策」という表現が多く使われたが、韓国では一般的に「自由旅行」と言われている。9月にも現地でこの単語をよく聞いた。またメディアでは「ノービザ」という言葉を多く用いて関連ニュースを報じている。
- KBSは「無ビザ入国初日」と報道
いずれも「これまでも行けなくはなかったが、ビザ取得の必要があり、資料の提出が煩雑。また団体旅行という縛りもあった」「これが自由になった」というニュアンスだ。
2019年8月に起きた「NO JAPAN運動以前はLCCを活用しての「日本旅行ブーム」があった。上記の通り「ドン・キホーテ」ほか「一蘭」などが大人気、食品では「こんにゃくゼリー」や「パンケーキ」、美容関係では「パーフェクトホイップ」が横綱級の人気に。
その後「対日不買運動」を経た後、新型コロナでの2年7ヶ月のブランクを置いての「日本旅行自由化再開」。
韓国社会全般のムードからすると「待ちに待った」といったところもあった。Web上での「韓国語での検索データ」を調べるビックデータサイト「BLACK KIWI」では「日本」の関連キーワードでは、この2年半以上常に「ホテル」「航空券」「釣り」といった旅行関連の言葉が上位に入った。2022年7月の安倍晋三氏の痛ましい事件の直後以外は。
旅行会社の日本旅行予約は「軒並み500%以上増」
11日のメディアの報道ぶりも盛んだった。国内最大手の経済紙「毎日経済」がこう報じている。
「コロナとNO JAPANも終わった? ノービザ、日本旅行がなんと500%も爆増」
記事では「日本政府が11日から韓国を含む68カ国に対するビザ免除処置を再開した。この日からビザなしで観光、親戚訪問、見学などの目的で最大90日間日本に滞在できる」と紹介した。
さらに国内旅行代理店での盛況ぶりも伝えている。
国内の有力ECサイト「Gマーケット」で日本旅行のパッケージが9月と比べて1816%増加したというデータ、またオンライン専門の旅行代理店「Tripbtoz」でも日本での宿泊の予約が前月比で2500%増加といった派手なデータを紹介。いっぽうで「ハナツアー」や「チャムチョウン旅行」などの大手でも776.6%、500%増加だったという。
ちなみに「ハナツアー」では同社の海外旅行の全予約のうち、日本旅行が占める割合は「36.1%」。また「Gマーケット」ではコロナ前の2019年の同月と比べても「240%増加」なのだという。
さらに同メディアは、韓国人が日本旅行を好む理由とそのデータを紹介している。
「日本は飛行時間が短く、費用負担も比較的少ないいっぽうで、楽しめるポイントが多く、伝統的に人気の高い旅行地に挙げられる。新型コロナの拡散前である2018年には韓国人が海外旅行で最も多く訪れる国だった。年間平均700万人が訪れていた」
- MBCは「日本は円安での内需も期待」
同じく「毎日経済」は10日に「韓国人は日本のどこに行くのか」という記事を掲載した。
「日本旅行1816%爆増…一番多く行く場所は東京じゃなかった」
日本旅行の人気ぶりを報じつつ、「Gマーケット」上での人気の目的地を紹介している。
1位 大阪
2位 東京
3位 福岡
4位 札幌
5位 名古屋
大阪には「東京よりちょっと近くて、海外ムードも味わえ、かつ買い物もできる」というニーズがある。「東京よりも韓国とちょっと似た雰囲気もあって行きやすい」という話も韓国人からよく聞く。
- YTNの11日の報道でも「日本=道頓堀」のイメージが
いっぽう2019年の「NO JAPAN運動」の前には、LCCを使い「とにかく近くで買物」というブームもあり、北九州、佐賀など九州の都市の人気も高まった時期があった。LCCの再整備が落ち着き、また「海外情緒堪能」が1周回ったあたりでこういったニーズが再燃するだろうか。
地上波KBSはこういった状況を韓国の国内旅行会社にとっての「ドル箱」と表現。旅行時期としては、10月よりも「11月と12月がより人気」とのことだから、「年内ピークはここから」というところか。