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宮脇咲良がこの5月に「韓国で"1位"になった」あること

SourceMusic提供

ずばり、結論は「日本」というキーワードでのYouTube関連動画再生回数

小さいことだが、これ、スゴいことだ。

4月26日にYouTubeにアップされた「韓国の子と日本の子に出会ったSakura」がここまで307万回再生され、韓国での今月の日本関連の再生回数1位となった。日本語でも字幕が出ているため、ご覧になったファンも多いのではないか。あれ「韓国での日本関連動画月間アクセス数1位」になったのだ。「韓国での日本」の象徴となったとも言えるデータだ。

韓国ウェブサイト上でのビッグデータを提供するサイト「SomeTrend」での統計による。「日本(일본)」のキーワードについておよそここ1ヶ月のデータを調査すると「動画閲覧数ランキング」でこの動画が1位となる。

4月26日にアップされ、307万アクセスを記録。今月2位の「陸上競技の途中で競技場に入った日本のカメラマン」(5月9日)の214万に大差をつけている。また4月28日にアップされた「第2弾」も157万アクセスを集めており、「1位確定」だ。

SOMETREND 該当ページ キャプチャ(アップされた4月26日から5月29日までのもの)
SOMETREND 該当ページ キャプチャ(アップされた4月26日から5月29日までのもの)

何かの賞があるわけではない。

しかしそれでも、(繰り返しになるが)彼女が今月の「韓国での日本」の象徴となったとも言えるデータだ。

まず、ここでの1位は「エンタメ」だけが入るものではない。2002年3月には政治関連の「ロシアが日本との平和条約交渉打ち切りを宣言」というニュースが月間1位に。また4月はスポーツの「サッカーカタールW杯で日本が死の組入り」が1位となった。今月も上記の「陸上トラックにカメラマン乱入事件」を上回っての1位。宮脇咲良は他のジャンルと競ってのトップ獲得となったのだ。余談だがここ半年ほどの上位の常連は「日韓カップルの済州島ライフ」だ。

また、韓国でのYouTubeの利用率を見ても価値がある。カナダ・バンクーバーに本社があるソーシャルメディア管理システム会社「HootSuite(フートスイート)」の調査によると、韓国でのソーシャルメディアプラットフォーム利用率第1位は「YouTube」。このランキングは「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」ではなく、「メディアプラットフォーム」のランキングのため、国民的アプリ「カカオトーク」の80.1%を超えて「YouTube」が一位となる。16歳から64歳までの国民の85.9%が見ているという。要は「みんなが一番見ているものの」の1位なのだ。

HootSuite該当キャプチャ
HootSuite該当キャプチャ

「韓国語が上手くなった」との評も

この動画は韓国の子ども向け衣料ブランド「odg

」がアップしたもの。ブランディングの一環として子どもが登場する動画が並んでいる。登録者数300万超えの人気アカウントだ。宮脇咲良の他にもTWICEのメンバーが韓国の高校生と対面する動画もある。

4月26日にアップされた動画で宮脇咲良は「日本語がまったく分からない韓国の子ども」と、「(韓国在住で)韓国語がまったく分からない日本の子ども」と対面する。二人の子どもはその後咲良を介して出会い、心を開いていくというストーリーだ。

  • 該当動画の第2弾

コメント欄での韓国からの投稿内容でも好評が相次いだ。宮脇咲良の「彼女が子どもに優しく語りかける様子」「ソフトな語り口」を褒める内容が多かった。

その他、韓国からの反応として目立ったのは「韓国語が上手くなった」という点だ。

「韓国語を休まずに勉強したんだな。日本でもそれなりにスゴい立場にあったようなんだけど、韓国での生活も大変ななか、夢のために一生懸命駆け抜けてるんだな。すごい! これからも花の咲く道だけを歩んでほしい。そして頑張れ咲良ちゃん!」

「昔はわからなかったんだけど、今考えるとプデュに出演して粘り強く頑張った日本人たちのことを本当にスゴイと思う。言葉の壁は簡単じゃなかったろうに。パフォーマンスだけではなく、この点での努力もあったと思う…僕も個人的に"半強制的”に日本語を勉強する機会があった(※おそらくは大学受験の第2外国語と思われる)けど、本当に難しかった。咲良は歌手の仕事をしながら韓国語を学んだから、本当に苦労をたくさんしたんだろうなと思う」

さらに動画(第1編)の最後で宮脇咲良本人が子どもたちに向けて発するコメントにも大きな反応があった。

「外国人の友達を作った時に、その人自体を見るようになって。日本人だろうと韓国人だろうとそんな偏見は本当に意味がないって思ったの。その人自身を見るのが重要」

これ、宮脇咲良がルセラフィムとして今月出演した韓国の名番組「週刊アイドル」でメンバーのホン・ウンチェにつけられた新ニックネームにも相通じるものだ。

「サクラテス」

哲学者ソクラテスから来ている。ホン・ウンチェ曰く「ふだんから当然のことをさも名言のように哲学的に言う」。上記の「偏見は意味なし」発言は「当然のこと」ではなく、すでに「特別」なものだが、いずれにせよ今後の彼女は「名言メーカー」としてのキャラクターを発揮していくだろうか。

(了)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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