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男子サッカー 韓国6-0大勝で「1位突破」決定…今夜の日仏戦の結果「日本2位」なら準々決勝は日韓戦に

(写真:ロイター/アフロ)

日本が準々決勝に勝ち上がった場合の対戦相手は、韓国、もしくはニュージーランドに――。

東京五輪男子サッカー予選グループB組は、28日17時30分から最終節を戦い、ホンジュラスを6-0で下した韓国が1位突破を決めた。

最終節を控え、4チームが勝ち点3で並ぶ大混戦を制したのは、初戦でニュージーランドに0-1と苦杯を喫した韓国だった。

4-4-2で臨んだ布陣にあって、前半からプレスでホンジュラスを圧倒。11分にここまでノーゴールだったオーバーエイジのファン・ウィジョ(ボルドー)がPKを決めると、18分にもウォン・ドゥジェ(蔚山現代)がPKで追加点。38分に相手DFが退場となり、試合はワンサイドゲームの様相を呈した。

前半のアディショナルタイム4分には、今大会でのゴール欠乏症が心配されたファン・ウィジョが流れの中からゴール。右サイドからの折り返しをファーサイドで待ち、右足で決めた。試合を決める3点目であったのと同時に、キム・ハクボム監督の愛弟子、ファンが流れのなかから決めた点は韓国にとって大きいものだった。

ハットトリックを決めたファン・ウィジョ(ホンジュラス戦にて)
ハットトリックを決めたファン・ウィジョ(ホンジュラス戦にて)写真:ロイター/アフロ

ファンは51分にふたたびPKからゴールを決め、ハットトリックを達成。その後にベンチに下がる余裕も見せた。韓国はさらに63分にキム・ジニャ(FCソウル)、81分にはイ・ガンイン(バレンシア)がゴール。6-0の大勝となり、得失点差で余裕をもっての1位突破となった。

この勝利は韓国にとって「五輪でのホンジュラス戦」の”トラウマ’を払拭するものでもあった。

2016年のリオ五輪では準々決勝で対戦。

韓国はこの時、ドイツ、メキシコと同組になりながらも1位突破と自信をもって臨んだが、59分の失点を挽回できずに敗退。

勝ち進んでいた場合、準決勝の開催国ブラジル戦での勝利を望むのは難しかったにせよ(実際にホンジュラスはブラジルに0-6で敗れた)、3位決定戦での相手はナイジェリアだった。徴兵免除の条件であるメダル獲得に向け、”いい勝負”はできる余地はあった。

そういったこともあって、試合前には解説者のアン・ジョンファン氏が「ホンジュラスは攻撃力の強いチーム。警戒が必要」とアラートを発していたが…チーム内にももちろん手綱を締める雰囲気があった。

大会途中での「プラン変更」が奏功

今大会での韓国は大会前から志向してきた4-3-3(4-2-3-1)が初戦のニュージーランド戦で機能しないと見るや、2戦目から4-4-2に切り替え、結果が出ている。

もともとはファン・ウィジョを前線に据え、2列目にチームの”看板”となるA代表経験者クォン・チャンフン、イ・ガンイン、オム・ウォンサム、イ・ドンギョンらを並べ、機動力を生かしたサッカーを標榜した。しかし初戦の痛恨の結果でキム監督はきっぱりとプランを切り替えた。

このうちイ・ガンインは、プラン変更で先発を外れているものの、予選グループ2戦目、3戦目では後半からFWで出場し、計3ゴールを記録。スーパーサブとして結果を残している。

また攻撃陣で唯一の心配のタネだったファン・ウィジョも前述の通りハットトリック。よいチーム状態で決勝トーナメントに臨むことになった。

いっぽうグループリーグB組2位はニュージーランドに決定。この後行われる日本―フランス戦などの結果により、日本はグループAを1位突破なら準々決勝でニュージーランド、2位なら韓国と対戦することとなる。

サッカーU-24韓国代表|東京五輪メンバー

GK

1. ソン・ボムグン(全北現代) **2017年 U-20W杯

18. アン・ジュンス(釜山アイパーク) **2017年 U-20W杯

22. アン・チャンギ(水原三星)

DF

2.イ・ユヒョン(全北現代)

3. キム・ジェウ(大邱FC)

4. パク・ジス(金泉尚武FC)*オーバーエイジ ***A代表経験者

5. チョン・テウク(大邱FC) **2017年 U-20W杯

12. ソル・ヨンウ(蔚山現代)

13. キム・ジニャ(FCソウル)

MF

6. チョン・スンウォン(大邱FC)

8. イ・ガンイン(バレンシア/スペイン)**2019年 U-20W杯 ***A代表経験者

10. イ・ドンギョン(蔚山現代)***A代表経験者

14. キム・ドンヒョン(江原FC)

15. ウォン・ドゥジェ(蔚山現代)***A代表経験者

19. カン・ユンソン(済州ユナイテッド)

20. イ・サンミン(ソウルイーランド)

21. キム・ジンギュ(釜山アイパーク)

FW

7. クォン・チャンフン(水原三星)*オーバーエイジ ***A代表経験者 

9. ソン・ミンギュ(浦項スティーラーズ)***A代表経験者 

11. イ・ドンジュン(蔚山現代) ***A代表経験者 

16. ファン・ウィジョ(ボルドー/フランス)*オーバーエイジ ***A代表経験者 

17. オム・ウォンサン(光州FC)**2019年 U-20W杯 ***A代表経験者 

※所属クラブ・招集メンバーは2021年7月2日時点のもの

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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