中国「象の北進」 当たり前だが超危険! 韓国では「脱出象が市内で食堂を秒殺破壊」の恐怖事件も
中国南部での「象の北進」が日本のワイドショーなどでも大きな話題になっている。
ラオス国境付近の自然保護区に生息した野生象の群れ15匹が保護区を離れ、雲南省内を北上。今年4月に地元住民が本来いないはずの人間の居住地域で姿を目撃した。これを当局に通報したところから事態が発覚したという。その後も雲南省内を500キロ移動し、大都市に近づいている。
中国でも前例のない行動だという。困惑が広がる中、5月末には人口800万人の雲南省の中心都市・昆明に侵入。日本のテレビでもトラックなどでバリケードを築き、行路を塞ぐ様子が報じられた。現地では700人の警備体制を敷き、象をおびき寄せるための餌を準備するなど厳戒態勢。いっぽう、SNSのインフルエンサーが象の通った後を実況中継するなど、到来を楽しむ向きもあるという。日本のTBSは象が食べ残したパイナップルを食べてみる者もいると報じた。
いけません。「象が大都市で暴れるのは大惨事」。
当然の話だが…韓国にそれを実証する事件があり、動画も残っている。
事は2005年4月20日に起きた。市内の公園でパフォーマンスをしていた象6頭が鳩の飛び立つ姿に驚き、”脱走”。市内に乱入したというもの。KBSニュースが2016年に「あのときあのニュース」のコーナーで紹介している。「食堂に象が…信じがたい脱出劇」。当時の映像などを中心にその破壊力を紹介する。
店で新聞を読んでいたら 急に象二頭が店に入ってきた…
出典:KBS
ニュース映像にはこういった字幕とナレーションが入っている。
現場はソウル東部の世宗大や建国大が位置するエリア。子ども大公園は有料の広大な公園で、この時ラオスから象を招きパレードを行っていた。当時の別の記事には「鳩が飛び立ったことに驚いた」とある。1頭が最初に走り出し、その後に5頭がついていったのだという。
公園を出た後、大通りを経由して住宅地や商店街に乱入した。6頭のうち2頭は食堂に入っていったのだ。
当時の別の局(MBC)の報道では、このチェさんはより迫力のあるコメントを残している。
「3頭が急に入り口のガラスを破壊して中に入ってこようとした。うち2頭が本当に入ってきて…だから私は2階に駆け込んで、クローゼットの中に隠れました。象がテーブルをひっくり返している瞬間に横をすり抜けて逃げたんですよ」
韓国メディアによる「象が攻撃的に変わる理由」。サムネイルは2005年の韓国での事件の様子
スピード、パワーともも凄まじいことを感じさせる。
映像ではエアコンを破壊し、厨房にあるニンジンを食い散らかす様子も映っている。
ニュース原稿はこう続く。
当時の他メディアは「一帯に人が集まり、交通も渋滞。最終的に収拾に5時間かかかった」とした。この象たちは元々人に手なづけられていただけに、飼育員を背中に乗せて大人しく元の場所に戻る象もいたが、コントロールの利かなかった象に対しては、最終的に貨物用コンテナに誘導して拿捕したのだという。
建築物の被害のみならず、負傷者も出た。
このくだりもまた、MBCがより詳しく状況を報じている。「50代の女性が道路を歩いていたところ象にぶつかり、後頭部から出血の重傷を負いました」。
象には要注意を。街を破壊します。
今回の中国での北上の理由については「気候変動の影響」「より安全な場所を探している」「餌を求めている」などとも囁かれている。人間の長年の行いの結果なのだろうか。だとしたら必ずや象の命も尊重する解決策が実行されることを願わずにはいられない。