Yahoo!ニュース

センバツ100年物語②出場校決定。アベック出場は6道府県で、同都府県の決勝が過去5回も!

楊順行スポーツライター
2017年のセンバツは履正社(右)と大阪桐蔭、大阪勢の決勝(写真:岡沢克郎/アフロ)

 第96回選抜高校野球大会(3月18日〜阪神甲子園球場)の選考会が開催され、出場32校が決まった。いわゆる「センバツ」。源流は、1924年に開催された全国選抜中等学校野球大会で、つまり今年で100周年となる。

 決まった32校のうち、同一道府県からのアベック出場は次のとおり。

北海道=北海 別海

青森=青森山田 八戸学院光星

愛知=豊川 愛工大名電

石川=星稜 日本航空石川

京都=京都外大西 京都国際

和歌山=耐久 田辺

「センバツ100年物語①」で書いたように、1924年の第1回大会は異なる都府県からの8校出場だったが、第2回以降は同県から2校どころか、3校出場もザラにあった。1県から4校出場なんてこともある。たとえば33年には、出場32校のうち和歌山県から海南中、海草中(現向陽)、和歌山商、和歌山中(現桐蔭)、37年には20校のうち愛知県から中京商(現中京大中京)、享栄商(現享栄)、愛知商、東邦商(現東邦)の4校が出場した。

 もっとも現在では、21世紀枠を除いて、一般枠での選考は1都道府県最大2校までという内規がある。2018年のセンバツでは、滋賀県から近江、彦根東が一般枠で選ばれたのに加え、21世紀枠の膳所を加えて3校が出場したが、これはきわめてまれなケースだ。このときの滋賀は3校どころか、2校出場も初めてだった。

 昨年の第95回記念大会では、長崎県から長崎日大と海星がやはり、初めてアベック出場している。以前も書いたが、いまだに2校同時出場を果たしていない県は、北から山形、富山、鳥取、島根の4県のみだ(ちなみに岩手、福島、新潟の3県のアベック出場は、うち1校が21世紀枠での選考)。

 さすがに、1県1代表が基本の夏の選手権では決勝の同県対決は実現していないが、センバツでは過去、決勝での同都府県対決が5回あった。

1938年 愛知 中京商1—0東邦商

1941年 愛知 東邦商5—2一宮中

1948年 京都 京都一商(現西京)1—0京都二商(のち西陣商、廃校)

1972年 東京 日大桜丘5—0日大三

2017年 大阪 大阪桐蔭5—2履正社

 さてさて、今年はどうなりますか。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

楊順行の最近の記事