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沖縄県知事選 玉城氏と佐喜真氏が互角の戦い=JX通信社・沖縄テレビ情勢調査

米重克洋JX通信社 代表取締役
普天間基地の移設を含む「基地問題」は今回の選挙の最大の争点になっている(写真:ロイター/アフロ)

今月30日に行われる沖縄県知事選について、JX通信社は沖縄テレビ放送と合同で、21日から23日までの3日間電話世論調査を行い、知事選中盤の情勢を探った。

調査に沖縄テレビの取材を加味し情勢を分析した結果、県政与党が推す前衆議院議員の玉城デニー候補と、前宜野湾市長で自民・公明・維新などが推す佐喜真淳候補が互角の戦いとなっていることが分かった。渡口初美氏、兼島俊氏は支持が広がっておらず、厳しい情勢だ。

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政党支持層別に見ると、玉城氏は立憲民主党、共産党、社民党支持層のそれぞれ9割を固めたほか、「支持政党はない」とした無党派層で優勢だ。一方、佐喜真氏は自民党、公明党支持層からそれぞれ8割程度の支持を得ている。無党派層からの支持では玉城氏に遅れをとっている。

また、性別では男女とも玉城氏への支持が佐喜真氏を上回っている。とりわけ、女性ではその差がより大きくなっている。

年代別に見ると、20代から80代までで玉城氏が佐喜真氏を上回っているが、とりわけ50代以上では玉城氏への支持がより強い。

沖縄県による名護市辺野古への基地移設埋立承認の撤回については「強く支持する」「どちらかといえば支持する」とした人が合計で64.3%に上った。一方、「どちらかといえば支持しない」「全く支持しない」とした人は25.1%だった。「強く支持する」とした層は玉城氏への投票意向が大半を占める一方、「全く支持しない」「どちらかといえば支持しない」とした人は佐喜真氏への投票意向が大半だった。

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知事選で投票にあたって重視する争点を聞いたところ「基地問題」が39.2%、「経済・景気・雇用」が30.9%、「医療や福祉」11.7%、「教育や子育て」8.0%と続いた。また「基地問題」を重視するとした層では玉城氏が優勢である一方、「経済・景気・雇用」を重視する層では佐喜真氏への支持が多かった。

8月に死去した翁長雄志前知事の県政については「高く評価する」「どちらかといえば評価する」をあわせて72.1%が肯定的な評価を示した。一方「どちらかといえば評価しない」または「全く評価しない」としたのは22.9%だった。翁長県政を「高く評価する」層は大半が玉城氏を支持したのに対して、「どちらかといえば評価しない」「全く評価しない」とした層は多くが佐喜真氏支持に回っている。

なお、投票先をまだ決めていないとする有権者が1割程度おり、情勢は流動的だ。

◎調査の概要

21日(金曜日)から23日(日曜日)までの間、無作為に発生させた電話番号に架電するRDD方式で、沖縄県内の18歳以上の有権者を対象に調査した。有効回答は1020件だった。

JX通信社 代表取締役

「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。

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