「パーキンソンの法則」でビジネスのカラクリを楽しく考える!

(写真:アフロ)

「パーキンソンの法則」を理解すれば残業はゼロに!

現在、政府の強い呼びかけもあり、空前の「働き方改革」ブームが巻き起こっています。大企業のみならず、中小企業も「働き方改革」と称して、いろいろな対策をしはじめています。

「働き方改革」で最も期待されるのは長時間労働の是正。2014年のデータになりますが、1週間に50時間以上働く労働者の割合は21.9%に達し、韓国に次いで第2位。(OECD加盟国中)1週間で50時間ということは、営業日が5日間とすると毎日10時間労働――つまり、5人に1人は、毎晩8時~9時ぐらいまでは残業をしている、ということです。

ただ、私は現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。残業を減らすためには「働き方」を変えなくとも、もっと簡単にできることを知っています。

「残業ゼロ」を100%実現させる手順に書いた通り、厳格に退社時間を決め、絶対に守ることができないと論理的に訴える人にのみ個別対応することです。なぜなら仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するからです。これがパーキンソンの法則(第1法則)です。

仕事が増えたからといって、むやみに人を増やしてはならない!

経営者としていつも念頭に置いているのが、人員と業務量のバランスです。私が経営している会社は、この3年でスタッフが3倍以上に増えました。人が増えることは喜ばしいことですが、いっぽうで、人が増えることで業務効率が格段に落ちていく、以前は考えられなかったミスが多発する、といった想定外の事態に見舞われるという側面もあります。

仕事が増えたからといって、安易に人を増やしてはいけません。

「人が足りないから残業がいっこうに減らない。人を増やしてくれ」

と現場から言われても、すぐに耳を貸さないことです。先述したように、労働時間が長いから仕事量が自然と増えているかもしれないからです。この状態で人を増やしたらどうなるのか? 火を見るよりも明らかです。人員増によって総労働時間が増え、その分ただ仕事量が膨張するだけです。

大企業によくある現象と言えるでしょう。外部の目から見れば、必要のない業務が膨れ上がり、必要のない部署まで複数できあがり、これらの部署のおかげで正しい組織運営ができなくなっている事態をよく目の当たりにします。人を増やせば増やすほど、仕事の量も膨張する、と受け止めるべきです。

なぜ「買い物カゴ」を持ったらたくさん買ってしまうのか?

パーキンソンの法則は、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という第2法則も、非常に納得感があります。

年収1千万円を超えている人は、なぜ生活が苦しくなるのか? どうして宝くじの高額当選者のうち、実に「7割」以上が破産しているのか?これらの疑問も容易に解消されます。

このパーキンソンの法則を応用することでいろいろな事象を楽しく理解できるようになります。

たとえばスーパーやビデオレンタルの店で「買い物カゴ」を使って買い物をすると、買い物カゴがいっぱいになるまで買い物をしたくなる顧客心理が働きます。この効果で顧客単価が高くなり、企業側は利益を大きく稼ぐことができます。

リアルのお店のみならず、ネット上でもこの心理効果を応用したサービスが存在します。「AMAZONパントリー」というアマゾンのサービスです。パントリーBOXと呼ばれる架空の「買い物カゴ」に食品や日用品を入れたら、送料290円しかかからないというもので、私も利用しますが、どうしてもパントリーBOXいっぱいになるまで買い物をしたくなるのです。アマゾンの思うつぼですね。

買い物の量は、買い物をするために与えられたカゴ(BOX)をすべて満たすまで膨張する、と受け止めていいでしょう。

なぜ高い目標を掲げるべきなのか?

日常生活においてもそうです。物が増えたからといって、収納ケースを増やすと、その分だけ物が増えていきます。

脳には「空白の原則」というものがあります。空白があると埋めたくなるという心理現象です。私はこの空白の原則をどのように活用するか、見極めることを強くおススメします。そうすることで、ビジネスにおけるいろいろなカラクリを楽しく理解できるし、不思議な現象もおもしろく納得できるからです。

ビジネスで成功する人は必ず高い目標を掲げます。決して低い目標を設定することなどしません。高い目標を設定するからこそ、現状との間に「空白」が生まれ、その「空白」を埋めようといろいろなアイデアを自然とねん出しようとするのです。

パーキンソンの法則からすると、

アイデアの量は、目標を達成させるために与えられた空白をすべて満たすまで膨張する。

と言えますね。ビジネスにおいて、パーキンソンの法則をうまく活用していきましょう。