「話し方」より重要なのは、英会話と同じく「リスニング能力」である

一方通行の「話し方」よりも重要なコミュニケーション能力は、双方向の「会話力」です。英会話で考えてみればわかりやすいと言えるでしょう。

英語を勉強するうえで大切なのは、「語彙」「文法」「リスニング」の3つ。話を噛み合わせるためにも、これら3つのことが重要です。相手が使っている単語やボキャブラリーの意味がわからないと、話が噛み合いません。文法が間違っていると話が通じないですし、勘違いされやすくなります。

そして何よりも「リスニング能力」

相手が話していることを、正しく認知しているか? 間違えずに知覚しているか? が問われます。「リスニング能力」というより、ここでは「清聴力」という表現に変えてみたいと思います。

「清聴」とは、「ご清聴ありがとうございます」と言うときに使う、アノ言葉です。「清聴」と「静聴」とを間違える人がいますが、「清聴」とは、清らかに聴くことであり、「静聴」とは静かに聴くことを指します。相手と正しい会話をする、話が噛み合うように言葉のキャッチボールをするためには、相手の話を「清聴」できるかどうかがキーです。

「あなたと話をしていると、いつも話が噛み合わない」

「君とは話すだけムダだ。話にならない」

と言われてしまう人は、会話していても「あさっての方向」へ話をそらしたり、話の論点を読み間違え、「早とちり」したりする人です。相手の話は耳に入ってきているのでしょうが、「精通」しているとは言えないのかもしれません。相手を敬う気持ちが欠けている「上から目線」の人も、同じです。「清聴」しようとしていないので、

「要するに、お前が言いたいのはアレだろ?」

「君の言い分はわかってる。グダグダ言わなくてもいい」

と、邪険に扱ったりします。こういう経営者や、上司であれば、

「あの人に話をしてもダメ。話が前に進まない」

とレッテルを貼られることでしょう。

ビジネスの現場では、昨今「時間効率」が強く求められるようになりました。したがって、話が噛み合わない状態を放置するのは危険です。つまり、相手の話をテキトーに聞き流すような「リスニング能力――清聴力」の低い人の存在そのものが、組織にとってリスクだと理解しましょう。