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家に仕事を持ち帰らないテクニック ……「仕事持ち帰りゼロ法案」ができる前に?

横山信弘経営コラムニスト

仕事は職場でやるものであり、基本的に家に持ち帰るものではありません。「基本的に」と書いたのは、事情によっては、そうせざるを得ないときもあるだろうと思うからです。とはいえ、現在は「残業」や「休日出勤」などの時間外労働に対しては、以前より世間から厳しい目が向けられています。ましてや「残業代ゼロ法案」の影響があります。オフィスで残業をしづらくなった人が、その分、家に持ち帰るようになるかもしれません。いずれにしても家に仕事を持ち帰るというシチュエーションはできる限り避けたいですね。

それでは、どうすれば仕事を家に持ち帰らないようにできるでしょうか。2つあります。

● 定時内に終わらせる

● 翌朝早く出社して終わらせる

労働時間が長くなる理由は「空気」「時間間隔の歪み」です。「空気」で人を動かすで書いたとおり、組織に「残業するのが普通」という空気が蔓延しているのであれば、どうしても周囲に感化されてしまい、残業をせずに退社することができません。そうしてズルズル遅くなってしまい、どうにもならなくなって仕事を家に持ち帰るのです。しかも周囲の人も「残業+持ち帰り」をしているのなら、それが「普通」だという空気に染まっていくことでしょう。この「残業は当たり前」という空気は絶対に変えなければなりません。

いっぽう、組織内の空気がそれほど悪くもないのに労働時間が長くなってしまう人は、単純にダラダラ仕事をしているだけです。「15分」や「30分」という短い単位で時間を区切り、集中して片付けましょう。短い期限を決めることがポイントです。自分の仕事の仕方を見直し、期限を決めて処理していくだけで、それほど労働時間が長くなるはずがありません。ぜひ試してみてください。

しかし、それでも時間内におさまらず、どうしても家に持ち帰られないと仕事が終わらない、というのであれば、翌朝、早く出社して片付けましょう。家に帰り、部屋着などに着がえてしまうとリラックスしてしまい、本来は1時間で終わる仕事も2、3時間かかってしまうことがあります。「期限」を決めることができず、エンドレスに仕事をしてしまうことさえあります。

ですから、翌朝1時間ぐらい早く出社し、まだ誰もいないオフィスで集中して処理するのです。始業時間という絶対の「期限」がありますから、否応なく集中力は高まります。自然と思考ノイズは遮断されることでしょう。

問題なのは、「終わらなかったら家でやればいい」という逃げを心に抱いたまま仕事をすることです。「絶対に家では仕事をしない」と覚悟を決めれば、オフィスにいる間に集中して業務を処理する習慣が身につきます。パソコンを持ち帰らない。上司からの連絡も受けないよう、携帯電話やスマホも職場へ置いていく、という荒技もいいですよね。特殊な仕事でない限り、パソコンやスマホを家に持ち帰らないことで上司に怒られることはないでしょうから。

【参考図書】

「空気」で人を動かす

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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