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度会隆輝は3球団の抽選で横浜DeNAに――ドラフト会議で1位指名が確定する

横尾弘一野球ジャーナリスト
社会人を代表するスラッガー・度会隆輝は、横浜DeNAに交渉権が確定した。

 10月26日の午後5時、プロ野球ドラフト会議は今年も1位入札から開始された。10月11日には、阪神の岡田彰布監督が最近の傾向になりつつある1位入札の事前公表に『面白くない』と意見を述べた。だが、東都大学リーグに逸材が揃う中、13日に広島が大学日本一の原動力となった本格派右腕・常廣羽也斗(青山学院大)への入札を公言。そこからしばらくは各球団が指名方針を検討していたが、24日になって埼玉西武が大型左腕の武内夏暉(国学院大)へ入札すると発表した。

 さらに、25日には巨人の水野雄仁スカウト部長が「ずっと見ていた。(阿部慎之助監督の後輩となる)中央大というのもある」と、西舘勇陽(中央大)への入札を事実上認め、福岡ソフトバンクも武内への入札を公表。そして、中日の立浪和義監督が「技術的に頭ひとつ抜けている」と、社会人を代表するスラッガー・度会隆輝(ENEOS)への入札を明かす。こうして、事前の公表は昨年の9名から5名へと半減した。

事前の公表で武内夏暉は抽選が決定する

 会議が始まると、まず中日は度会に入札。北海道日本ハムは西舘に入札する。続いて、東京ヤクルトと埼玉西武が武内、巨人は西舘に入札し、この2人は抽選になる。さらに、東北楽天は常廣、横浜DeNAは度会、福岡ソフトバンクは武内、広島も常廣、千葉ロッテも度会で、度会と常廣も抽選に。阪神は制球力に長けた右腕の下村海翔(青山学院大)、オリックスは三拍子揃った内野手の横山聖哉(上田西高)へ入札。日本シリーズを控える今季のリーグ王者は、ともに単独入札で交渉権を獲得した。

 抽選は度会から始まり、横浜高からENEOSと神奈川県でプレーしている度会にとっては、地元となる横浜DeNAの三浦大輔監督が当たりクジを引き当てる。続いて、西舘は北海道日本ハムの新庄剛志監督からクジを引いたが、残ったほうを手にした阿部慎之助監督の巨人となる。武内は、2番目にクジを手にした松井稼頭央監督の埼玉西武に確定。常廣は、大きなガッツポーズを見せた新井貴浩監督の広島に確定した。

 2回目の入札は6球団。中日は草加 勝(亜細亜大)、北海道日本ハムは高校ナンバーワン左腕の呼び声高い前田悠伍(大阪桐蔭高)、東京ヤクルトは本格派右腕の西舘昂汰(専修大)へ入札する。このあと、東北楽天と福岡ソフトバンクが前田、千葉ロッテが草加へ入札したため、西舘昂は東京ヤクルトに確定した。2回目の抽選は草加から。立浪和義監督が当たりクジを引いた中日に確定し、前田は残りクジを手にした小久保裕紀監督の福岡ソフトバンクとなった。

 3回目の入札は3球団。北海道日本ハムは大器と評される左腕の細野晴希(東洋大)へ入札し、東北楽天は同じ左腕の逸材・古謝 樹(桐蔭横浜大)に。千葉ロッテも細野へ入札し、古謝が東北楽天に確定する。細野の抽選は、稲葉篤紀ゼネラル・マネージャーが当たりクジを引き当てた北海道日本ハムとなる。そうして、千葉ロッテは即戦力と言われる上田希由翔内野手(明治大)を選択し、これで12球団の1位がすべて確定した。

(写真提供=小学館グランドスラム) 

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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