午後5時に開始されたプロ野球ドラフト会議は、1位指名の12名が内定した。今年は入札する選手を事前に公表する球団がなかなかなく、10月8日になって埼玉西武の渡辺久信ゼネラル・マネージャーが、大学ナンバーワン左腕の隅田知一郎(西日本工大)を「満場一致の評価」で入札すると公表。翌9日には、福岡ソフトバンクの王 貞治会長が「将来はエースになってくれる逸材」と、ノースアジア大明桜高の剛球右腕・風間球打への入札方針を明らかにした。会議当日の10日には、北海道日本ハムが「潜在能力のある選手」と表明。風間をはじめ、森木大智(高知高)、小園健太(市立和歌山高)の“高校ビッグ3”のいずれかに1位入札すると見られていた。

 そうして始まったドラフト会議は、10月10日時点の公式戦順位の逆順で、優先権のあるセ・リーグから1位を入札した。

 横浜DeNAが入札した小園は、重心移動もスムーズなクセのないフォームから、最速152キロのスピンの利いたストレートを投げ込む本格派右腕。カットボールやツーシームを織り交ぜる投球術にも長けており、今春の甲子園一回戦では県岐阜商高を4安打でシャットアウトした。面談したスカウトからは、素直な性格と吸収力の高さも評価されており、早くから一軍のマウンドに立てると見られている。

 北海道日本ハムは、天理高の長身右腕・達 孝太を入札する。193cmから角度のあるストレートを投げ込み、スライダー、フォークボールなど変化球のキレもいい。長打力のある野手を狙っていた中日は、アドゥ・ブライト健太を入札。ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれ、都葛飾野高から進学した上武大では、3年まで目立つ実績を残すことはできなかった。しかし、4年春に19安打3本塁打で最多安打、最多本塁打、最高出塁率の個人賞を獲得し、最高殊勲選手とベストナインにも選出される。さらに、大学選手権では打率.615、2本塁打で4強入りに貢献。50m走で6秒を切る俊足を生かした走塁と外野守備も高く評価されており、中日を熱烈に希望した相思相愛が実った。

 埼玉西武が隅田に入札すると、続く広島東洋も隅田で抽選が決まった。最速150キロのストレートに加え、スライダーやカットボールなど数種類の変化球も巧みに操るサウスポー。波佐見高3年夏は甲子園の開幕戦で彦根東高に5対6とサヨナラ負けし、今年の大学選手権は一回戦で上武大に0対1と惜敗した。177cm・76kgと体格も平均的だが、スムーズな重心移動や鋭い左腕の振りなど、プロで大きく飛躍できる資質を備えていると評される。

隅田知一郎は4球団競合で埼玉西武へ

 福岡ソフトバンクは風間。ドラフト当日の10月11日が18歳の誕生日という右腕は、今夏の秋田県大会準々決勝で157キロをマーク。甲子園でも150キロ台を連発するなど、183cm・84kgとバランスのいい身体から剛球を投げ込む。冬場の徹底した走り込みや体幹強化で潜在能力に磨きをかけており、厳しいプロの世界でも自己成長できる逸材と見られている。

 読売も隅田で3球団目。東北楽天は、今夏の埼玉県大会で準優勝し、文武両道の新鋭として知られる昌平高の強打の外野手、吉野創士に入札。阪神も小園で抽選となり、千葉ロッテはその小園とバッテリーを組んだ松川虎生捕手(市立和歌山高)に。巧みなインサイドワークに、今夏の甲子園2試合で打率.571と攻守に優れた司令塔もプロの扉を開けた。東京ヤクルトも隅田で4球団目。オリックスは、高川学園高から東北福祉大へ進学し、全国の舞台でも実績を残してきた椋木 蓮投手に入札した。

 この結果、小園と隅田が抽選となり、他の10名は交渉権が確定した。そして、抽選を経て小園は横浜DeNA、隅田は埼玉西武が交渉権を得る。

 抽選に外れた球団の再入札は、広島が山下 輝投手(法政大)、読売は関西国際大の右腕・翁田大勢、阪神は森木、東京ヤクルトは山下に。山下は抽選で東京ヤクルトに決まり、広島は関西学院大の左腕・黒原拓未を指名。これで12名が以下のように出揃った。

横浜DeNA/小園健太投手(市立和歌山高)

北海道日本ハム/達 孝太投手(天理高)

中日/アドゥ・ブライト健太外野手(上武大)

埼玉西武/隅田知一郎投手(西日本工大)

広島/黒原拓未投手(関西学院大)

福岡ソフトバンク/風間球打投手(ノースアジア大明桜高)

読売/翁田大勢投手(関西国際大)

東北楽天/吉野創士外野手(昌平高)

阪神/森木大智投手(高知高)

千葉ロッテ/松川虎生捕手(市立和歌山高)

東京ヤクルト/山下 輝投手(法政大)

オリックス/椋木 蓮投手(東北福祉大)

(写真/松橋隆樹)