地元民にも観光客にも愛される店

店によって味がまったく異なるのが福岡の豚骨ラーメンだ。
店によって味がまったく異なるのが福岡の豚骨ラーメンだ。

 福岡は言わずと知れた「豚骨ラーメンの聖地」。博多ラーメンや久留米ラーメンをはじめ、豚骨ラーメン店が数多く集結しているエリアだ。そして福岡発祥で全国や世界にチェーン展開しているブランドも少なくない。今や福岡に行かずとも日本全国、あるいは世界各国で豚骨ラーメンが食べられる時代になったが、福岡でなければ食べることの出来ないラーメンもある。

 これまで、福岡で食べておくべきラーメン店を色々とご紹介して来たが、今回は地元福岡の人に長年愛され、観光客や県外にもファンが多い人気店を3軒厳選した。いずれも福岡の豚骨ラーメンを語る上で欠かすことが出来ない老舗で、県外でも食べることが出来る店だが、やはり本場の福岡でこそ味わって欲しい店ばかりだ。

小さな丼になみなみスープ『しばらく』(1953年創業)

70年近い歴史を誇る老舗『しばらく』。市内に複数店舗を構え、都内には暖簾分け店も。
70年近い歴史を誇る老舗『しばらく』。市内に複数店舗を構え、都内には暖簾分け店も。

 創業は1953(昭和28)年と、70年近い歴史を持つ老舗が『しばらく』(本店:福岡県福岡市早良区西新1-11-24)だ。魚市場があった大浜で創業した後、屋台営業を経て西新に本店を構え、福岡市内にも複数店舗を展開。2002年には暖簾分け店が東京日本橋で開業している。「博多ラーメン」を最初に名乗った店としても知られている。

 小さな丼からこぼれそうなほどなみなみと注がれた豚骨スープは、良質の豚骨を2日間炊き上げたもの。口当たりはサラリとしつつも豚骨の旨味がしっかりとある。昔はクセが強かった豚骨ラーメンを食べやすくするために「すり胡麻」を置いたり、価格が高騰していた海苔の代用品として「キクラゲ」を乗せるなど、この店で生まれて博多ラーメンのスタイルになったものも少なくない。

深夜に行列を作る濃厚豚骨『八ちゃんラーメン』(1968年創業)

夜が深くなればなるほど行列が出来る人気店『八ちゃんラーメン』。
夜が深くなればなるほど行列が出来る人気店『八ちゃんラーメン』。

 1968(昭和43)年に創業と、半世紀以上にわたり愛され続けている老舗が『八ちゃんラーメン』(福岡県福岡市中央区白金1-1-27)。営業が始まるのは夜9時からと深夜型の店ながら、連日行列が出来る人気店。夜が深くなればなるほど、その行列は長くなる。長年一店舗のみで営業を続けていたが、2019年に『新横浜ラーメン博物館』に初の支店を出した。

 羽釜を使って強火で長時間炊き続ける豚骨スープは、福岡市内でも屈指の濃厚さを誇る。油も張って熱々のスープを豚骨臭と共にすすれば、身体中に豚骨が染み渡る。平打ちの細麺は歯切れも良くしなやかな食感も併せ持つ。主役はスープという考え方から、具材はチャーシューと青ネギのみといたってシンプル。「日本一小さい」とも言われる餃子も欠かせないマストな一品だ。

築炉釜で炊く豚骨スープ『名島亭』(1987年創業)

東区名島に本店を構え、市内外にも複数展開する『名島亭』。
東区名島に本店を構え、市内外にも複数展開する『名島亭』。

 福岡市東区名島で1987(昭和62)年に創業以来、30年以上ものあいだ地元民に愛されている人気店が『名島亭』(本店:福岡県福岡市東区名島2-41-7)だ。長年一店舗で営業を続けていたが、2016年からは店舗展開を始め、現在は福岡市内に3店舗、横浜や西宮など県外にも2店舗を構えている。

 長浜ラーメン店の出身ながら、骨を継ぎ足しながら作る久留米ラーメンの「呼び戻し製法」を応用したオリジナルの豚骨スープは、鋳鉄製の大きな五右衛門釜の周りに炉を組んだ「築炉釜」を使い、高火力で炊き上げていくことで臭みがなくマイルドな味わいに。豚肉と野菜がたっぷりと入った「博多ちゃんぽん」もラーメンと並ぶ人気のメニューだ。

 今回ご紹介した3軒は、いずれも長年にわたり地元の人たちに愛され続ける、福岡のラーメンを語る上で欠かせない名店ばかり。福岡でラーメンの食べ歩きをする時には、ぜひとも食べ歩きのリストに加えて欲しい。

※写真は筆者によるものです。

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