福岡空港内に登場した「ラーメン滑走路」の実力とは?

福岡空港内にオープンした「ラーメン滑走路」には9店舗の人気ラーメン店が集う。

福岡空港国内線ターミナルビル内にオープン

滑走路に見立てた区画内に全国の人気ラーメン店9店舗が軒を連ねる。
滑走路に見立てた区画内に全国の人気ラーメン店9店舗が軒を連ねる。

 リニューアルが進む福岡空港内に11月21日、全国の人気ラーメン店が集うラーメン施設「ラーメン滑走路」がオープンした。福岡空港国内線ターミナルビル3Fのレストランエリアの一角にラーメン専門店9店舗とスイーツ店1店舗が集結。空港内で日本全国のラーメンが食べられる集積施設ということでオープン前より話題を集め、オープン初日から行列が出来るほどの人気を集めている。

ラーメン滑走路に出店する各店のラーメンは、豚骨はもちろん味噌、醤油、塩、つけ麺とバラエティに富んでいる。
ラーメン滑走路に出店する各店のラーメンは、豚骨はもちろん味噌、醤油、塩、つけ麺とバラエティに富んでいる。

 今回出店したラーメン専門店9店舗のうち、7店舗は常設で残りの2店舗は期間限定で入れ替わる。常設店は地元福岡から「博多一幸舎」「ラーメン海鳴」「屋台ラーメン 玉龍」、県外からは「弟子屈ラーメン」(北海道)「つじ田」(東京)「ラーメン凪」(東京)「まんかい」(大阪)の7店舗。期間限定店は「博多焦がし味噌専門 五行」(東京)「ワンタンメンの満月」(山形)が一年間出店する予定になっている。施設を運営する「福岡空港ビルディング」の担当者などが、日本全国の人気ラーメン店を食べ歩き出店を依頼したという。

 福岡市内にはキャナルシティ博多内の「ラーメンスタジアム」や、JR博多駅デイトス内の「博多めん街道」など、ラーメン店が集まる施設が存在しているが、どちらも基本的には地元福岡や九州の豚骨ラーメン店が中心のラインナップになっている。しかし、今回の「ラーメン滑走路」は北海道、山形、東京、大阪など県外のラーメン店比率が高く、さらに北海道の味噌ラーメンや東京の煮干しラーメン、つけ麺など、福岡では馴染みの少ないラーメンも多く揃っているのが特徴だ。新千歳空港内に今年オープンしたラーメン施設「北海道ラーメン道場」が地元北海道のラーメン店で固めたのとも対照的で興味深い。

県外から個性豊かなラーメンが出店

「五行」(東京)の「焦がし味噌ラーメン」は、タレを中華鍋で焦がして仕上げる豪快な一杯。
「五行」(東京)の「焦がし味噌ラーメン」は、タレを中華鍋で焦がして仕上げる豪快な一杯。

 県外から出店した6店舗はどこも人気実力を兼ね備えた店ばかり。「五行」(東京)は西麻布や京都で絶大な人気を誇るラーメンダイニングで、今回初めてラーメン専門業態として発祥の地である福岡に5年ぶりの復活を果たした。中華鍋でタレを焦がす手法で、香ばしい香りをラーメンに与えながら熱々に仕上げた「焦がしラーメン」が特徴だ。炎を上げながらタレを焦がした味噌ラーメンは、丼から湯気がまったく上がっていないのにスープは熱々。タレを焦がした香ばしい香りがクセになる強烈なインパクトを持ったラーメンだ。

「まんかい」(大阪)の「純とん」は、博多ラーメンの真髄を突き詰めた深みのある一杯。
「まんかい」(大阪)の「純とん」は、博多ラーメンの真髄を突き詰めた深みのある一杯。

 「まんかい」(大阪)は、人気豚骨ラーメン店「一風堂」で20年近くにわたり数々の店舗を手掛けてきた店主が独立した人気店で、大阪で3店舗を構えたのちに満を持して福岡に凱旋出店した。豚骨の本場福岡だからこそ本気の豚骨ラーメンを出したいと、空港施設内でありながら路面店舗よりも大きな釜を据えて、毎日大量の豚骨を投入してフレッシュな豚骨スープを炊き上げている。豚骨特有の臭みが一切なく骨の旨味だけを抽出したスープは、驚くほどにまろやかで深いコクがある。大阪からの出店でありながら、どこまでも直球の博多ラーメンは間違いなく豚骨好きの福岡市民にも受け入れられるはず。帆立などの旨味を合わせた「潮とん」や、トマトとチーズが豚骨と融合した「トマとん」なども必食だ。

 他にも「弟子屈ラーメン」は鮭冬葉など北海道産素材で構築されたラーメンを提供。ラーメン消費量日本一の山形の老舗「満月」はふわとろ食感のワンタンが白眉。つけ麺ブームを牽引してきた「つじ田」は濃厚な豚骨魚介とみずみずしい特注麺の相性が抜群。世界を席巻する「ラーメン凪」(28日オープン予定)の強烈な煮干しラーメンも必食の一杯と言えるだろう。

県外勢を迎え撃つ地元福岡のラーメンも盤石

「博多一幸舎」の「ラーメン」は路面店とは違う「屋台ラーメン」をイメージした一杯に。
「博多一幸舎」の「ラーメン」は路面店とは違う「屋台ラーメン」をイメージした一杯に。

 個性豊かな県外の実力店が揃う中、地元福岡から出店しているラーメン店も負けてはいない。濃厚な博多ラーメンで人気の「博多一幸舎」は、通常の路面店では出していないここだけのラーメンを提供。福岡博多のラーメン文化の根幹である「屋台ラーメン」を一幸舎が表現したらどうなるか、がテーマ。普段の一幸舎のラーメンはパンチがあって濃厚なスープが特徴だが、ここでのラーメンは濃度は抑えつつも豚骨の骨髄感や肉感を見事に表現している。博多の屋台ラーメンを進化させた正統派の一杯を楽しむことができる。

「ラーメン海鳴」の「ラーメン辛子明太子」は、スープそのものが辛子明太子味という意欲作。
「ラーメン海鳴」の「ラーメン辛子明太子」は、スープそのものが辛子明太子味という意欲作。

 次世代博多ラーメンの旗手として人気を集める「ラーメン海鳴」は、「魚介とんこつ」「ラーメンジェノバ」などこれまで路面店で人気を集めてきたメニューをズラリと揃えた。さらに空港だけの新たなメニューとして開発したのが「ラーメン辛子明太子」。福岡の玄関口だからこそ、敢えて今まで避けてきた「福岡らしさ」を辛子明太子で表現したという一杯は、ただ辛子明太子がラーメンに乗っているわけではなく、スープそのものが辛子明太子味という意欲作。今回のために特注したという有田焼のコーヒーカップ風のラーメン丼も楽しい。

個性豊かなラーメンを空港内で食べ歩く楽しさ

 ラーメン集積施設の楽しさは色々な種類のラーメンの食べ歩きをする中で、自分好みの一杯を見つけることが出来ること。今回の「ラーメン滑走路」に出店している9店舗はどの店も他の店とは違う特徴を持っており、さらに各店舗とも複数の個性豊かなラーメンをメニューに揃えているので、ラーメンの種類としては30種類以上のラーメンを食べられることになる。ぜひ二度三度と足を運び、自分の舌で自分の好きなラーメンを見つけて欲しい。