第3次ハンバーガーブームはいつまで続くのか?

2015年「SHAKE SHACK」の上陸以来、空前のハンバーガーブームが到来。

マクドナルドがすべての始まり

1971年に「マクドナルド」が日本に上陸して46年。今やハンバーガーはラーメンやカレーと並ぶ「第3の国民食」とまで呼ばれるようになった。それぞれアメリカ、中国、インドに起源を持つ料理が日本で愛されているのは興味深い現象だが、日本で独自の進化を遂げていったラーメンやカレーと異なり、ハンバーガーは今もアメリカンスタイルを踏襲している。その背景としては、ラーメンやカレーはインスタント食品が発売され、家庭に普及していったが、ハンバーガーは常に外食として食べるものであったという点も影響しているのではないかと推察出来るが、業界シェア6割を超える「マクドナルド」という巨大フードチェーンの存在が影響を与えていることは間違いないだろう。

常に外食の中で根強い人気をほこるハンバーガーではあるが、これまでに何度か「ハンバーガーブーム」が日本にも到来している。第1次ハンバーガーブームは、1970年代。「マクドナルド」の日本進出に前後する形で「ドムドムハンバーガー」「ロッテリア」「モスバーガー」「明治サンテオレ」「森永ラブ」など、日本独自のハンバーガーチェーンが相次いで誕生した。マクドナルドという黒船に刺激を受けた形で、日本のハンバーガーチェーンが活性化していった1970年代は、言わば日本のハンバーガー文化の黎明期とも言える時期である。

そして第2次ハンバーガーブームは、1990年代後半から2000年代にかけてのこと。1995年、三宿に本格的なアメリカンバーガーを提供するレストラン「FUNGO」がオープン。翌1996年には本郷に「FIREHOUSE」がオープンし、マスプロ的なファストフードではなく素材にこだわった手作りのハンバーガー、いわゆる「グルメバーガー」の潮流が生まれた。これらの店は「AS CLASSICS DINER」「ARMS」などの人気店も輩出し、グルメハンバーガーブームを牽引していった。さらにそのブームは地方へと飛び火し、「佐世保バーガー」をはじめとする「ご当地バーガー」が全国に生まれることとなった。

SHAKE SHACKの上陸でブーム再来

そして2015年、ニューヨークから鳴り物入りで「SHAKE SHACK」が日本初上陸。ニューヨークの屋台として2000年にスタートしたSHAKE SHACKは、ホルモン剤を一切使用していない100%オールナチュラルのアンガスビーフを使用するなど、品質にこだわったハンバーガーがニューヨーカーの支持を受け、アメリカ国内で急成長を果たし海外にも出店を重ねた上で、満を持しての日本への上陸となった。

同じく2015年に上陸した「BAREBURGER」は、エコロジーやオーガニックをコンセプトの中心に据えたハンバーガーで人気を集めるチェーン。日本でも自由が丘など情報感度の高い街で高い支持を受けている。続いて2016年に上陸したのが「Carl's Jr.」。全世界で3,500店舗以上を展開する、1941年創業の老舗ハンバーガーチェーンで、日本にも1989年に一度出店しているが撤退し二度目の進出となる。

SHAKE SHACKの上陸をきっかけに起こったプレミアムバーガーブームは、2017年になっても止まる事を知らない。今年になって相次いでアメリカから話題の人気バーガーレストランが相次いで出店し、その勢いはさらに加速している。「ファストフード」「ジャンクフード」の代名詞とも言われたハンバーガーが、品質と味、さらには健康面にも配慮した「プレミアムバーガー」へと進化して日本を席巻しているのだ。

"旨味"に注目した「UMAMI BURGER」

UMAMI BURGERの「SAMURAI BURGER」は日本だけのバーガー。
UMAMI BURGERの「SAMURAI BURGER」は日本だけのバーガー。

2017年3月、表参道にオープン以来、連日行列が出来る人気店になっているのが「UMAMI BURGER」である。TIME誌の「史上、最も影響力のある17のバーガー」にも選出された、ロスアンゼルス発祥の人気バーガーレストラン。

店名の「UMAMI」とは日本語の「旨味」のこと。創業者であるアダム・フライシュマン氏が旨味に注目し、旨味を最大限に引き出す調理法を確立して今までにないアプローチのハンバーガーを作り上げた。ローストトマトやシイタケなどの持つ旨味を付加することで、ハンバーガーそのものの味をさらに深めることに成功した。

メニューはアメリカの提供メニューの中から、日本人の味覚に合う商品を厳選して提案。さらに注目すべきは日本限定のオリジナルバーガーたち。日本料理の調理法や日本人が親しんでいる素材を生かした、日本独自の味を楽しむことが出来る。「SAMURAI BURGER」は日本だけのオリジナルバーガーで、日本の「照り焼き」をモチーフにワサビを隠し味に忍ばせたコク深い味わいの一品だ。

"100万通り以上"の味が楽しめる「THE COUNTER」

THE COUNTERの「CYOB」は自分好みのバーガーをカスタム出来る一品。
THE COUNTERの「CYOB」は自分好みのバーガーをカスタム出来る一品。

同じく2017年3月、六本木にオープンしたのが「THE COUNTER」。こちらは「100万通り以上のハンバーガーを楽しめる」カスタムバーガーレストラン。2003年にカリフォルニア・サンタモニカで創業、世界7ヶ国に出店をしている。GQ誌の「死ぬまでに食べたい20のバーガー」にも選ばれた実力派だ。

この店の特徴は自分の好きなハンバーガーを作れること。「CYOB(Create Your Own Burger)」というスタイルでは、パティ、バンズ、ソース、トッピングにいたるまで約80種の食材から、バーガーを構成する全てをシートに記入してカスタムオーダーすることで、「世界でたったひとつ」の自分だけのオリジナルバーガーを楽しむことが出来るのだ。

糖質を控えたい時はバンズではなく野菜でラッピングしたり、お腹いっぱい食べたい時はパティのサイズを大きくしてトッピングもたっぷり入れるなど、その日の気分に応じて自分好みのバーガーを楽しめるのだ。もちろんお店が勧めるトッピングで仕上げたシグネチャーバーガーも数多く用意されているので、優柔不断の人でも安心だ。

"和牛"の美味さが光る「HENRY'S BURGER」

HENRY'S BURGERの「HAMBURGER DOUBLE」は和牛が光る。
HENRY'S BURGERの「HAMBURGER DOUBLE」は和牛が光る。

次々とアメリカから来襲する黒船バーガーを迎え撃つ、日本発のプレミアムバーガーが代官山に2015年オープンした「HENRY'S BURGER」。食通たちに愛される市ヶ谷の焼肉専門店「炭火焼肉なかはら」が手掛ける初のハンバーガー業態。なかはら店主の中原健太郎さんは、幼少期にアメリカで育った経験を持つことから「和牛のおいしさをリーズナブルに伝えたい」という思いを、子供の頃から大好きだったハンバーガーで表現した。

この店の特徴はやはり「和牛の美味さを追求したハンバーガー」という一語に尽きる。パティはもちろんツナギ無しの和牛100%。なかはら同様に黒毛和牛処女牛のみを使用し、旨味の強いスネ肉を中心に肉本来の食感を楽しめるよう超粗挽きに仕上げた挽肉を、注文を受けてからその場で特注のグリドルとプレスでパティに仕上げていく画期的なスタイル。

「馬場FLAT」と共同開発したバンズは、パン単体としてではなく和牛のパティと一緒に食べることを念頭に置いて作り上げたもの。和牛の旨味あふれるパティにオリジナルバンズとソースが見事なまでに一体となったバーガーは、ナイフやフォークを使わず手で持ってかぶりついてこそ、その美味しさが最大限に感じられる。

ジャンクフードから素材重視、健康志向にシフトしてきた今のハンバーガーシーン。個人店を中心に日本初のハンバーガー店も次々オープンしており、さらにまだ日本に上陸していないハンバーガーレストランも数多くある。現在のハンバーガーブームはまだまだ当分続きそうだ。