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英国ジャズ・ロックの伝説ソフト・マシーンが2018年7月に“FAREWELL JAPAN TOUR”

山崎智之音楽ライター
c)Geoff Dennison GD CorporatePhotography

英国ジャズ・ロックのレジェンド、ソフト・マシーンが2018年7月に日本公演を行う。

1966年にカンタベリーで結成。歴代メンバーにはデヴィッド・アレン、ロバート・ワイアット、ケヴィン・エアーズ、アンディ・サマーズ(ザ・ポリス)、アラン・ホールズワース、カール・ジェンキンズ(アディエマス)など個性的な実力派ミュージシャン達がおり、サイケからプログレッシヴ、ジャズ・ロックまでを取り込みながら独自の世界観を生み出してきた。

2004年からソフト・マシーンの音楽と精神性を受け継ぐ存在として“ソフト・マシーン・レガシー”名義で活動、2015年3月には日本公演も行った彼らだが、同年末にはソフト・マシーンの金看板を復活させている。

デビュー・アルバム『ソフト・マシーン』(1968)から50周年を迎える、“FAREWELL JAPAN TOUR”と題された今回の来日は、ロイ・バビントン(ベース)とジョン・マーシャル(ドラムス)にとって最後のジャパン・ツアーとなる。

今回の来日メンバーは以下のとおりだ:

- ジョン・エサリッジ(ギター)

- セオ・トラヴィス(サックス、フルート、フェンダー・ローズ)

- ロイ・バビントン(ベース)

- ジョン・マーシャル(ドラムス)

それにスペシャル・ゲストとしてゲイリー・ハズバンド(キーボード)が同行する。

ちなみに2015年にはジョン・マーシャルが健康上の理由で来日不能となったため、ゲイリー・ハズバンドが代役ドラマーを務めたという経緯もある。また、2015年の来日時にはキース・ティペットがゲスト参加して話題を呼んだ。

John Etheridge / guitars / courtesy of Billboard Live
John Etheridge / guitars / courtesy of Billboard Live

さて、日本のライヴでどんな曲が披露されるか、期待は高まる一方だが、直前、2018年7月上旬のカナダ・モントリオール公演は『バンドルス』(1975)から「Bundles」でスタート。同作からの「The Man Who Waved At Trains」、『6』(1973)からの「Gesolreut」「Chloe And The Pirates」、『4』(1971)からの「Kings And Queens」などが演奏されている。往年のクラシックスを衰えぬ超絶テクニックでプレイする名手たちのライヴは、世界各地で絶賛を浴びている。

さらに名盤として日本では絶大な人気を誇る『3』(1970)からの楽曲が追加される可能性もあるし、来日公演の会場で先行発売されるニュー・アルバム『ヒドゥン・ディテールズ〜隠された真実〜』からの新曲もプレイされるかも知れない(ソフト・マシーン名義ではなんと37年ぶりのニュー・アルバム!一般発売は8月から)。

“FAREWELL”だからといって気を緩めることを許さない、スリルと刺激に満ちたステージになるだろう。

Roy Babbington / bass / courtesy of Billboard Live
Roy Babbington / bass / courtesy of Billboard Live

スペシャル・ゲストのゲイリー・ハズバンドはアラン・ホールズワースやゲイリー・ムーアのバンドでドラムスを担当してきたが、それと並行してビリー・コブハムのバンドでキーボードを弾くという“二刀流”で知られるミュージシャンだ。「どちらも自分にとってメイン楽器」と彼は語るが、今回はそのキーボード奏者としての魅力と才能をフルに発揮するライヴになる。

さらに今回、日本で“A Meeting Of Spirits In Japan”と題して、ゲイリーの人生初(!)というソロ・ピアノ単独公演も行われる。チック・コリアからも絶賛されたその手腕を堪能することが出来る貴重な機会だ。

Gary Husband / Special Guest Keyboards / courtesy of Billboard Live
Gary Husband / Special Guest Keyboards / courtesy of Billboard Live

ソフト・マシーンとしてのライヴ活動は、日本公演の後もイギリスやヨーロッパ、アメリカで行われることが発表されている。2019年2月にはイエスがヘッドライナーを務める“クルーズ・トゥ・ジ・エッジ”船上クルーズ・ライヴへの出演が決まっているが、その後は白紙の状態だ。

ソフト・マシーンというバンド自体の今後の活動はともかく、このラインアップでの来日はこれが最後となる。“FINAL JAPAN TOUR”がタイトル通り“最後”となるか、決して見逃すことは出来ない。

Theo Travis/ Saxophone, Flute, Fender Rhodes / courtesy of Billboard Live
Theo Travis/ Saxophone, Flute, Fender Rhodes / courtesy of Billboard Live

ソフト・マシーン ~Farewell JAPAN Tour~

ビルボードライブ東京:2018/7/28(土)-29(日)

1st Stage Open 15:30 Start 16:30 / 2nd Stage Open 18:30 Start 19:30

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ビルボードライブ大阪:2018/7/31(火)

1st Stage Open 17:30 Start 18:30 / 2nd Stage Open 20:30 Start 21:30

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ゲイリー・ハズバンド〜 A Meeting Of Spirits In Japan

7/26 横浜MOTION BLUE YOKOHAMA

Open 18:00 Start 19:30

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7/30 大阪Mister Kelly’s

1st Stage Open 18:00 Start 19:30 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:15

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8/1 名古屋Star★Eyes

1st Stage Open 18:00 Start 19:30 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:15

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主催:AMSA Records

後援:MoonJune Music 、パール楽器製造株式会社

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音楽ライター

1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,200以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検1級、TOEIC945点取得。

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