サッカーゴール等の転倒事故を防ぐ ~その3~ サッカーゴール等固定チェックの呼びかけから10日後

(写真:アフロ)

また同じ事故が起こった!  

 2018年1月5日と1月13日に、「サッカーゴール等の転倒事故を防ぐ」と題して、その1とその2の記事を書いた。その1では、サッカーゴール等の転倒事故が起こり続けていることを示し、予防のための具体的な対策を明らかにするために実験を行って、ゴールが転倒したときの衝撃力、ゴールが転倒するのに必要な力などを計測し、3つの具体的な提言を示した(その1参照)。

 その2では、2004年と2017年の1月13日に、ゴールの転倒で死亡例が発生しているため、1月13日を「サッカーゴール等固定チェックの日」と定めたことを報告し、現時点では、サッカーゴール等を固定するしか適切な対策はないので、自分の身近にあるゴールをチェックし、その映像を撮って送ってもらうようメディアを通じて広く呼び掛けた(その2参照)。

 その2の記事の中で、「危険性を指摘するだけでは「予防」のスタートラインに立っただけで、実際の予防にはつながらない。ゴールの固定が不十分であれば、今日にもまた転倒事故が起こる可能性がある。身近にあるゴールの固定状況をすぐにチェックすることが必要だ」と書いたが、こう書いた10日後に、また事故が起こった。

――――――――――

ゴール倒れ生徒ケガ

清水区の中学校、授業中

静岡市教育委員会は24日、清水区の清水第七中学校の校庭で、ハンドボールゴールが倒れ、2年生の男子生徒(14)が右足に軽いけがを負ったと発表した。 

市教委によると、23日午後2時すぎ、体育の授業でサッカーの試合をしていた男子生徒に、強風で倒れた移動式のアルミ製ゴール(高さ2.1メートル、重さ50キログラム)が当たった。

市内では2004年に清水第六中学校で、サッカーゴールが中学3年生の男子生徒=当時(14)=の頭部を直撃し死亡する事故が起きている。市教委はサッカーやハンドボールのゴールに重りを付けて固定するよう指導していたが、23日は担当教員が確認を忘れていたという。池谷真樹教育長は「事故発生は大変遺憾。安全管理の徹底に努める」とのコメントを出した。今後は複数の職員による確認を徹底する。(中日新聞、2018年1月25日朝刊)

 この新聞記事を読んで絶句した。「今日にも転倒事故が起こる」と記事に書いたが、正直なところ、すぐに同じ事故が起こるとは思っていなかった。なぜ、こんなことが起こり続けるのか?怒り、落胆、嘆き、何ともいいようのない無力感に襲われる。

 新聞記事を読んでみると、日時、場所、個人名を変えれば、以前とまったく同じ内容である。清水第七中学校は、2004年の死亡事故が起きた清水第六中学校の隣の中学校であろう。事故の原因として、「担当教員が忘れていた」、「固定が必要と思わなかった」、「風で倒れるのは想定外」、「通達を見ていなかった、全員に周知しなかった」などの言い訳が述べられ、教育委員会からはお決まりの「遺憾である。安全を徹底」という通達が出され、メディアは以前の事故も紹介するが解決策を示すことはない。新聞記事を総合的に判断すると、担当教員が忘れたことが問題で、「その教員の責任」と指摘してお終いとなっている。このパターンが繰り返されているので、同じ事故が発生し続けることになる。

賽の河原の現状をどうするか?

 同じ事故が起こり続けているのに、なぜ、「ゴールを固定する」ということができないのか? もう、「仕方がない」と投げ出してしまいたくなる。しかし、子どもたちが傷害を受けているという現実を度々突きつけられると、逃げ出すわけにはいかない。

 ゆくゆくは、設置も簡単で、倒れないゴール製品の開発が不可欠である。あるいは、ゴールが倒れても衝撃を受けないビニール製ゴールなどの開発が必要である。しかし、現時点では、ゴールを固定しやすい道具の開発、普及を推進し、ゴールを固定してもらうしか予防法はない。

 1月13日から「サッカーゴール等固定チェックの日」の活動を始めたが、1月27日現在、写真は2件しか送られてこない。この活動の限界を見極め、何とか有効なゴール固定の活動を見出していきたい。