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東京ディズニーランド&シー・クリスマスイベント3年ぶり開催でコロナ前業績目指す

山口有次桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授
写真:村上あおい

ディズニー・クリスマス3年ぶり開催

 東京ディズニーリゾートは、11月8日から12月25日までの48日間、スペシャルイベント「ディズニー・クリスマス」を3年ぶりに開催する。東京ディズニーランドでは、ワールドバザールのクリスマスツリーや、パレード「ディズニー・クリスマス・ストーリーズ」、東京ディズニーシーでは、メディテレーニアンハーバーの「ディズニー・クリスマス・グリーティング」、ハンガーステージの「クリスマスタイム・ウィズ・ユー」などで盛り上げる。さらに、11月11日から、東京ディズニーシーで新規ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」が始まる。

スペシャルイベント開催日数はコロナ前より増加

 コロナ禍による入園者数制限で、スペシャルイベント開催は控えられてきたが、ようやく再開に至った。イースター、七夕、夏祭り、ハロウィーン、クリスマス、お正月などの時節にあわせたスペシャルイベント開催日数を算出すると(図表1)、2022年度はコロナ禍前の2017年〜2019年度よりむしろ増加している。年間を通して、スペシャルイベント開催のない期間が短くなり、何らかのスペシャルイベントがいつでも開催されている状態がつくれるようになり、高い水準での入園者数平準化につながる。

図表1 東京ディズニーランド&シーにおけるスペシャルイベントの開催日数

オリエンタルランド決算資料「テーマパークイベント・新規アトラクションカレンダー」を基に算出。周年イベントやアトラクションイベントは除く。
オリエンタルランド決算資料「テーマパークイベント・新規アトラクションカレンダー」を基に算出。周年イベントやアトラクションイベントは除く。

第1四半期業績はコロナ禍前水準には至らない

 オリエンタルランド決算資料によると、テーマパーク事業の2022年度第1四半期(4月〜6月)業績は、コロナ禍前の2019年度や2018年度の水準まで戻ってはいない。だが、3年ぶりのクリスマスイベントは、第3四半期の業績を大きく押し上げることは間違いない。同時に、この時期の顧客満足度も向上するであろう。

図表2 東京ディズニーランド&シーの第1四半期売上高・営業利益

オリエンタルランド決算資料、第1四半期のテーマパーク事業データより作成
オリエンタルランド決算資料、第1四半期のテーマパーク事業データより作成

2023年度40周年イベントと新エリア開業で大きく盛り上がる前の2022年度業績に注目

 2023年4月15日に開園40周年を迎え、周年イベント“ドリームゴーラウンド”が2024年3月末まで開催される。さしあたり、東京ディズニーランドには昼の新パレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」が導入される。年間を通したスペシャルイベント拡充に40周年イベントが加わり、さらに2023年度は、東京ディズニーシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」が開業予定である。来年度の盛り上がりは間違いないが、まずはスペシャルイベント拡充で、2022年度末に向けた業績がコロナ禍前の水準にどこまで近づけるか注目したい。

桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授

早稲田大学大学院博士課程修了。博士(工学)。2006年より桜美林大学ビジネスマネジメント学群助教授、准教授を経て、2009年より現職。専門分野は、レジャー産業、レジャー施設、レジャー活動。1990年から『レジャー白書』の執筆に携わる。近年はアジア諸国のレジャー活動状況調査を実施し発表。単著『新 ディズニーランドの空間科学 夢と魔法の王国のつくり方』『観光・レジャー施設の集客戦略 利用者行動からみた“人を呼ぶ魅力的な空間づくり”』、共著『「おもてなし」を考える 余暇学と観光学による多面的検討』『観光経営学』『観光学全集 観光行動論』等。レジャー施設に関する論文多数。

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