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楽天「Rチャンネル」は動画を見るだけでポイント付与。どういう仕組みなのか?

山口健太ITジャーナリスト
視聴時間に応じてポイントがたまるという(Webサイトより、筆者撮影)

楽天の動画配信サービス「Rチャンネル」において、ドラマや映画などの視聴時間に応じてポイントがもらえる新しい特典が始まりました。無料の動画を見るだけでポイントをもらえるというのは、どういう仕組みなのか、楽天に聞いてみました。

視聴時間に応じてポイント付与

そもそもRチャンネルとは何なのか、楽天によると、2021年8月23日に対応するテレビ機種向けに始まったサービスとのこと。テレビは東芝、シャープ、ハイセンスの一部の機種に対応しています。

配信されているのはアニメや映画、ニュース、スポーツなど約40チャンネルです。番組表に沿って配信される「リニア型」で、早送り/巻き戻しや一時停止はできないようです(一部チャンネルは見逃し配信に対応)。

見たい作品を有料で都度購入できる「Rakuten TV」とは異なり、無料のサービスとなっています。

Rチャンネルの番組表の一部(Webサイトより)
Rチャンネルの番組表の一部(Webサイトより)

9月6日には、このRチャンネルがパソコンやスマートフォンのWebブラウザーからの視聴に対応。見るだけなら、規約に同意するだけでログインも不要です。

楽天としては、テレビ向けをやめるわけではなく、Webブラウザーに対応することでテレビによる視聴とあわせてユーザーを増やしていく方針。今後はスマホアプリの提供も予定しているそうです。

注目したいのは、「視聴時間に応じて楽天ポイントがもらえる」という新たな特典です。楽天会員のIDでログインした状態で視聴すると、1時間に1ポイント、1日最大24ポイント、1ヶ月最大744ポイントが付与されるといいます。

視聴時間に応じてポイントを付与。一定条件でボーナスも(Webサイトより)
視聴時間に応じてポイントを付与。一定条件でボーナスも(Webサイトより)

大手の有料動画配信サービスでは、広告付きのプランで料金が安くなる、といった話があります。しかしRチャンネルでは無料でドラマや映画を見るだけで、ポイントがもらえるわけです。

その仕組みについて、楽天グループ広報部は「利用時に視聴いただくCMによる広告収入により、ユーザーの皆様にサービスを無料で利用いただくこと、ポイント進呈が可能となります」と説明しています。

ただ、実際に数時間ほど見てみたものの、CMのような動画が流れる場面はありませんでした。今後は増えていくのかもしれません。

「時間の奪い合い」ポイントで有利に?

新たな「ポイ活」としてはどうでしょうか。放置などの対策として1つのチャンネルの連続視聴は3時間まで、また複数デバイスによる同時視聴はカウントしないといった制限があるようです。

電気代も気になります。消費電力の低い端末なら電気代をまかなえる程度のポイントはもらえそうですが、ポイントだけを目当てに再生し続けるのはあまり意味がないように思います。

むしろ、暇つぶしに動画を見たいとき、地上波のテレビやYouTubeを流しっぱなしにするくらいなら、Rチャンネルを見たほうがポイントがもらえておトクといえそうです。

動画やSNS、ゲームなどで時間の奪い合い競争が激化する中で、単に無料というだけでなく、ポイントを付与することでユーザーの関心を集める面白い手法といえるでしょう。

追記:

2022年9月に視聴した分のポイントが11月15日に付与されました。

実際にポイントが付与された画面(アプリ画面より、筆者作成)
実際にポイントが付与された画面(アプリ画面より、筆者作成)

追記:

2023年3月27日より、スマートフォン(iOS、Android)向けアプリの提供が始まりました。

楽天、無料のリニア型動画配信サービス「Rチャンネル」においてスマートフォンアプリの提供を開始

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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