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Amazonプライムデー 「値上げ前」の世界に戻れるチャンスか

山口健太ITジャーナリスト
アマゾンで「プライムデー」が開催中(Webサイトより、筆者撮影)

7月12日から13日にかけて、今年もAmazon.co.jp(アマゾン)が「プライムデー」を開催しています。さまざまな商品の値上げが続く昨今ですが、それを帳消しにする買い物チャンスといえそうです。

アップル製品20%オフも

プライムデーは、アマゾンの有料会員プログラム「Amazonプライム」の会員向けセールイベントです。日本だけでなく、世界各国で一斉に開催されています。

会員向けという位置付けではありますが、アマゾンは会員獲得のチャンスとも考えており、初めての人には30日間の無料体験を提供。この無料体験中もセールに参加できるようにしています。2021年のプライムデー期間中は、新規登録数が過去最多を記録したといいます。

セールで期待されるのが割引額の大きさです。2021年のプライムデーに消費者が「節約した金額」は、約160億円だったとしています。

定番の人気商品はアマゾン製のデバイスです。第2世代の「Echo Show 5」は3980円(56%オフ)、第3世代の「Fire TV Stick」は1980円(60%オフ)など、通常時の価格は何だったのかと思える値引きがされています。

今年のテーマの1つには「家計の応援」があり、アマゾンのネットスーパーにおいても50%オフのセールを実施しています。「Amazonフレッシュ」や「ライフ」の特売品を見たところ、格安スーパーに匹敵する安さに感じました。

Amazonフレッシュで実際に買い物してみた様子。一部商品が20%〜50%オフに(Webサイトより、筆者作成)
Amazonフレッシュで実際に買い物してみた様子。一部商品が20%〜50%オフに(Webサイトより、筆者作成)

セールの機会が少ないアップル製品も狙い目です。7月1日に値上げされたワイヤレスイヤホンの「AirPods Pro」は3万1000円(20%オフ)で、今年の目玉商品の1つといえそうです。

アップルの「AirPods Pro」。値上げ前の水準で購入できる(Webサイトより、筆者作成)
アップルの「AirPods Pro」。値上げ前の水準で購入できる(Webサイトより、筆者作成)

初日にほぼ売り切れてしまいましたが、「Apple Watch Series 7」も20%オフとなっていました。そろそろ次のモデルが気になる時期ではありますが、こちらも値上げ前の水準で購入できるチャンスでした。

アマゾンはSIMフリースマホやタブレットの取り扱いにも力を入れています。サムスン電子の「Galaxy M23 5G」は3万3872円(17%オフ)、シャオミの「Xiaomi 11T Pro」は5万2350円(25%オフ)と安くなっており、狙い目でしょう。

原料費の高騰や円安などを背景にさまざまな商品の値上げが続く中、「値上げ前の世界に戻って買い物したい」と思うことが何度もあります。プライムデーでは、一時的にその夢が実現したといえるでしょう。

セールを狙った偽物やフィッシングに注意

多くの人が注目するセールだけに、さまざまな問題も起きているようです。

毎年話題になるのが、セールに合わせて定価を高く設定することで、大きな割引を演出する商品の存在です。本当に安いのか、他のECサイトなどと価格を比較したほうがよいでしょう。

有名な商品によく似た別物が並んでいるのも気になる点です。筆者の環境では、「Apple Watch Series 7」で検索したとき、アップル製ではない商品が上位に表示されていました。

アマゾンの中にはアップル専用のページサムスン電子(Galaxy)の専用ページなど公式のストアが用意されているので、ここからたどって購入したほうが確実といえそうです。

フィッシング詐欺が増えているとの報告もあります。アマゾンからのメールによく似たメールが届き、そのリンクから偽サイトに誘導することでアカウントを奪い取るなどの目的があると考えられます。

メールで送られてきたリンクを信用せず、ブラウザーのお気に入りや検索エンジンを使ってアマゾンのサイトを直接開くことをおすすめします。

こうしたセールでは何かを買わないと損をした気持ちになりがちですが、「余計なものを買わない」ことも重要です。

メディアやSNSで紹介される商品の中には、「アフィリエイト」が設定されているものもあります。これをクリックして購入すると、情報を発信したメディアや人に手数料が支払われる仕組みです。

(念のため、本記事の文中にあるリンクにはアフィリエイトは設定していません)

おトクな商品を探しやすくなるのは助かりますが、その多くは「買ってもらうための情報発信」になりがちです。本当に欲しかったものなのか、立ち止まって考えることをおすすめします。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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