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桜が散った後の桜花賞予想と、競馬の「欧州至上主義」について再度一筆!

山田順作家、ジャーナリスト

すでに桜は散ってしまった。となると、今年の桜花賞は、単なる「3歳牝馬オープン」だ。しかも、出走馬もそれにふさわしく一長一短で、大混戦。

こういうレースは考えるだけ、時間のムダではないだろうか? いくら考えても結論が出ない。出たとしても、今日の結論は明日までもたない。明日また考えると違う結論になってしまう。こうして、レース当日、発走直前まで「ああでもないこうでもない」と思い悩む。

昔は、たしかにそれが楽しかった。しかし、いまや、ゼーンゼン楽しくない。先週、ドバイでジェンティルドンナが負け、それに対する思いをこの「ヤフーニュース個人」に書いたら、コテコテに批判された。

このこともあって気が抜けてしまった。日本の競馬ファン、それも若い世代が、いまだに競馬というと欧州が本場と信じ込み、時代が大きく変わったのが認識できていないのが、ショックだった。

あなたは、欧州競馬の最高峰と言われる凱旋門賞を、本当に「世界一のG1」だと思っていますか?

日本経済はいまや衰退一途で、アベノミクスをもってしても復活は難しいが、競走馬のレベルだけは世界の頂点にある。欧州は経済もボロボロ、競馬もボロボロ。いまさら、カタールのオイルマネーのおこぼれで運営されている凱旋門賞を勝っても意味はない。

TPPで競走馬の輸入関税も撤廃されるのだから、今後は日本の馬産を盛り上げて、日本の競走馬を輸出できるようにしなければならない。

となると、日本馬が遠征して凱旋門賞を盛り上げるより、ジャパンカップを盛り上げたほうがいい。ジャパンカップこそ世界最高峰のレースとアピールして、アラブ人に馬を売るしかない。

経済ボロボロの欧州には、日本馬を買うような資力は残っていない。彼らは「white supremacy」(白人至上主義)を上手く利用して、欧州コンプレックスをもつアラブ人に金を出させ、自分たちの競馬を継続させることに成功した。

これがわかっているなら、アラブ人と同じメンタリティで、欧州で勝つことを目標にするのは、欧州の人間の思う壺だ。私たち日本人がアラブ人と同じように、欧州競馬が世界一だと「脳内洗脳」されて、これ以上欧州競馬を盛り上げてあげる理由がどこにあるのだろうか?

むしろ、アラブ人の目を日本競馬にもっと向けさせ、馬産地の衰退、馬券売り上げの落ち込みをカバーすべきだろう。

ダーレージャパンは、これまで日高の牧場をいくつか買収して、日本競馬への投資を積極的に行ってきている。馬主登録問題などでもめた経緯はあったが、国外居住者の馬主登録を認めたのだから、今後は、もっと投資してもらうべきだ。

しかも、ジャパンカップは「凱旋門賞馬の墓場」「欧州馬の墓場」になっている。これをうまくアピールして、いま欧州に行っているアラブマネーを日本に引き込むべきだろう。

というわけで、大混戦の桜花賞に戻る。私の予想は、成績、血統、調教、展開、過去データなどすべて無視である。十数年前までそうやって予想しきて、それが大きな間違いだと気づいてから、そんなものはどうでもよくなった。

よって、今回買うのは、サマリーズ。言わずと知れたダーレーJF、ハヤ王妃の馬だ。前走のフィリーズレビューは16頭立て16着(ビリ)惨敗、全出走馬中最低着順だから、買うしかない。

もちろん、単複だが、馬単、馬連まで手を広げると、相手はジーニマジックになる。ジーニはイスラム教アッラーフにより火からつくられた種族のこと。これで、「アラブ馬券」が完成する。

とはいえ、ドバイの盟主シェイク・モハメッド殿下は英国士官学校で学んだ英国留学生だったから、「鎖国日本」にはあまり興味がないかもしれない。

作家、ジャーナリスト

1952年横浜生まれ。1976年光文社入社。2002年『光文社 ペーパーバックス』を創刊し編集長。2010年からフリーランス。作家、ジャーナリストとして、主に国際政治・経済で、取材・執筆活動をしながら、出版プロデュースも手掛ける。主な著書は『出版大崩壊』『資産フライト』(ともに文春新書)『中国の夢は100年たっても実現しない』(PHP)『日本が2度勝っていた大東亜・太平洋戦争』(ヒカルランド)『日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか』(ソフトバンク新書)『地方創生の罠』(青春新書)『永久属国論』(さくら舎)『コロナ敗戦後の世界』(MdN新書)。最新刊は『地球温暖化敗戦』(ベストブック )。

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