【PR】ゴルフをより面白く観るコツとは? 女性ゴルフジャーナリストが見つけた「本質」

2019年は、ゴルフファンにとって印象的な出来事の多い1年だったのではないでしょうか。

タイガー・ウッズ選手が13年ぶりにマスターズを制し完全復活を遂げる一方、世界ランク1位のブルックス・ケプカ選手は全米プロ選手権を連覇。そして渋野日向子選手は全英女子オープンで初出場・初優勝の快挙を成し遂げ、一躍時の人となりました。

ゴルフというスポーツの最大の魅力は、そんな選手たちが織りなす悲喜交々のストーリーにあるのかもしれません。

今回お話を伺ったのは、米国ゴルフ取材歴20年超、豊富な情報や知識をベースに、ゴルフの魅力を発信し続けているゴルフジャーナリストの舩越園子さん。ツアー選手たちと直に接し、選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴った「舩越節」に定評がある舩越さんは、ヤフーニュース個人にて既に500本以上の記事を執筆されています。

2016年11月から続く有料連載『舩越園子のゴルフここだけの話』でも、有料版だからこそ書けるテーマで人気を博す舩越さんに、海外ツアーをはじめとするゴルフの面白さ・楽しみ方についてじっくりと教えてもらいました。

ゴルフジャーナリストへの道は、前例のないチャレンジの連続だった

今でも女性ゴルフジャーナリストの人数は少ないですが、当時は唯一無二とも言える稀少な存在
今でも女性ゴルフジャーナリストの人数は少ないですが、当時は唯一無二とも言える稀少な存在

――舩越さんが独立された80年代、ゴルフジャーナリストの女性というのは、業界内でも珍しい存在だったのではないでしょうか。

舩越:女性に限らず、若い人がほとんどいない狭い業界でした。新聞社を引退してから転身というシニアの記者も多かったですしね。

私はもともと「ゴルフが好き」が先行していて、そのあと書き手になったせいか、他の記者とは違う視点や切り口を持ち合わせていたのだと思います。

おかげで、次第に雑誌などでも重宝されるようになった一方、狭い業界に対して息苦しさも感じるようになりました。私に新連載の依頼がくるということは、知り合いである誰かの連載が終わるということ。そのせいで、最初は優しかった先輩記者たちの態度がどんどん硬化していったんです。

そのうちに「狭い世界で席取りゲームを続けても意味はない。何か他の人とは違うことをしたい」と考えるようになった私は、米ツアーの取材をするゴルフジャーナリストになろう、と決意しました。

――若い女性記者自体が珍しい時代に、米ツアー取材を目指すというのは、かなり思い切った挑戦ですね。

舩越:当然ながら紆余曲折がありましたね(笑)。

まずはアメリカの大学に留学し、現地取材が可能な英語力や取材スキルを身に付けるところからはじめようと考えた私は、ジャーナリズムの学部があったジョージア州立大学に入学しました。

ただ、日本の大学ですでに学んだ「政治」「数学III」「経済」なども必修科目になっており、時間とお金がもったいないなと思って、2学期で大学生活を離れました。

代わりに挑戦したのがゴルフの腕を上げることです。ゴルフジャーナリストなら、技術のことも選手の気持ちもわかるべきだと思い、猛特訓をしました。

日の出とともに練習場で打ちはじめ、日中はマンツーマンのプライベートレッスンで18ホールを回り、夜はナイター練習場に向かう。そんな研修生のようなストイックな生活を1年弱続けているうちにシングルプレーヤーになり、全米女子オープンの予選会への出場資格も得ることができました。

――凄いですね。予選会の結果はいかがでしたか。

舩越:「もしかしたら、私プロになれるかも!?」とウキウキしながら出場しましたが……全くダメでした(笑)。

アマチュアとはいえ、上級者たちの壁はとても厚く、シングル程度の腕では予選大会を勝ち抜くことはできません。しかも大会初経験だった私は、手は震えるわ頭は真っ白になるわで、練習と同じようなショットなど一度も打てませんでした。

苦い経験でしたが、おかげでプロフェッショナルと呼ばれる人たちの凄さを垣間見ることができました。

ロングレンジが多い米国のコースでシングルだったという舩越さん。現在のスコアは秘密とのこと
ロングレンジが多い米国のコースでシングルだったという舩越さん。現在のスコアは秘密とのこと

――その後、プロを目指すことはなかったのでしょうか。

舩越:まぁそもそも目指していたのはゴルフジャーナリストなので(笑)。

ただ、最初は当然ながら米ツアー取材のツテも経験もなかったので、電話帳で連絡先を調べては「日本のフリーライターですが、取材させていただけないでしょうか」と毎回連絡するしかありませんでした。EメールもFAXも無い時代ですから、全て電話です。

米国での執筆実績もないので、電話の後には日本で書いた原稿を何十ページもコピーして郵送しては一から説明をするような毎日を続けた結果、ようやくアトランタで開催されていた「キャデラックチャレンジ」というマイナーな大会の取材に参加できました。

そんな風にとにかく諦めずに活動を続けているうちに、ゴルフメーカーの人から「スポンサードしている選手の取材をしてみないか」と誘われたり、アメリカのゴルフ記者協会に入れてもらえたり、と良い結果につながっていきましたね。

最終的にはPGAツアーの年間取材パスをゲットして、全大会の取材ができるようになりました。

――努力が実を結んだわけですが、今の時代の取材アプローチとは、やはり大きく異なりますね。

舩越:ただ昔と今の一番の違いは選手との距離感なんですよ。当時は選手と何かしらの接点さえ持てば、1対1での取材も実現できた時代だったと思います。

例えば練習日にお目当の選手にひっつき「密着取材させてくださいよ」と1日中言い続けていれば、根負けして「しょうがないなぁ(苦笑)」と、取材許可をくれることも多かったですしね。

密着取材には大変さもありますが、楽しさの方が圧倒的に多かったです。練習後のインタビューはもちろん、ホテルのバーラウンジや屋上のプールで取材することも。短パンとバスローブでリラックスしている選手を取材するなんて、今では考えられません。

現在はスポーツマネージメントの観点から、選手と記者の間には必ずマネージャーが入るようになったため、独自に何かを聞けるという機会は激減しています。プレイが終わった後の囲み取材が、ゴルフジャーナリストの主な仕事になってしまった印象です。

米国ゴルフを知ることは、ゴルフの本質を知ることにつながる

舩越さんが記者として米国デビューした頃、ちょうどタイガー・ウッズの時代がはじまったそう
舩越さんが記者として米国デビューした頃、ちょうどタイガー・ウッズの時代がはじまったそう

――ゴルフという競技は、米国と日本でどういう違いがあると思われますか。

舩越:ゴルフという存在の社会における受け入れられ方自体が大きく異なりますね。日本では数あるスポーツの中のひとつという存在ですが、米国ではスポーツとしての「格」が高いんです。主な理由として、選手が率先して寄付やチャリティーイベントを開催している姿勢が挙げられます。

例えばジャスティン・ローズ選手は貧しい子どもたちを大会に招待し、引率しています。内容としては「ゴルフの大会ってこういう感じなんだよ」と子どもたちに見せてあげ、試合後には自宅でサンドイッチを食べるといった程度のものです。でもそこに招待されているのは、貧しさのためそういうレジャーを経験したことがない子どもたち。だから一生モノの楽しい思い出になるんですよ。

そんな社会貢献を多くのプロゴルフ選手はさらりとやっていて、周囲の人々もそれを知っています。そういった小さな活動の積み重ねによって「ゴルフって素敵なスポーツだよね」と社会に認知されてきた歴史が、米国にはあるんです。

――なぜ米国の選手は、そんなにも率先して社会貢献活動に取り組んでいるのでしょうか。

舩越:もちろん米国にはハングリーな選手だけでなく、サラブレッド的な選手も多くいます。ただ、裕福な家庭で育った選手であってもゴルフというスポーツはギャラリーがいるから成り立っていることをよく理解しているんですよ。

大型契約を結んだり日々多くのファンに囲まれたりという選手も、最初はたった1人のファンの応援からはじまっているということを、決して忘れていません。だから成功した選手ほど、辛い人に対してきちんと目を向けているという印象です。

そういう米国の選手の姿勢と比べると、日本の場合はどうなのだろうと考えてしまうことがよくあります。もちろんチャリティー大会などは定期的に開催されますが、そういうこと以上に、日本人選手にはこれからできること・やるべきことがあると思います。

有料連載の『舩越園子のゴルフここだけの話』では、こういう日本でも見習うべき米国ゴルフ文化についての紹介もしています。

――有料連載では、ほかにどういう情報を発信されているのでしょうか。

舩越:ゴルフに関する情報をお金を払ってでも読みたいという人は、「技術を高めたい人」か「ほかでは読めない話を知りたい人」のどちらかだと思います。誰が優勝したとか記録はいくらだといった情報は、誰もが無料ですぐ手にすることができる時代ですからね。

だから私は、日本のメディアや雑誌ではあまり読むことができない欧米で活躍する選手のマインドやストーリー、今注目の選手などについて詳しく紹介しています。

例えば、ピザ屋になる予定だったのにゴルファーとして遅咲きの花が咲いた選手の話、メディアからは何かと嫌なヤツと言われがちな某選手の本当の顔、大統領が与える米国ゴルフへの影響、まだ芽が出きっていない選手の素顔、そして米国から見た視点などの話ですね。

『舩越園子のゴルフここだけの話』の中で発信していきたいと考えているのは、そういう小さな話題かもしれないけど大切な出来事という種類のニュースです。

ゴルフはそのバックグラウンドや歴史を知ることで、一層楽しく見ることができる競技です。私自身が長く米国に滞在し、ツアーを見てきた経験があるからこそお伝えできる情報がたくさんありますので、読めば読むほどゴルフが好きになれる連載になっていると思いますよ。

舩越 園子(ふなこし そのこ)

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て、89年に独立。93年渡米。以後、米ツアー選手たちと直に接し、豊富な情報や知識をベースに米国ゴルフの魅力を独特の表現で発信し続けている。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。26年間の米国生活に区切りを付け、2019年から日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、さらには武蔵丘短期大学客員教授を務めるなど活動範囲を広げている。

『舩越園子のゴルフここだけの話』

【この記事は、Yahoo!ニュース 個人の定期購読記事を執筆しているオーサーのご紹介として、編集部がオーサーにインタビューし制作したものです】