【Yahoo!ニュース 個人】9月の月間MVAとMVCが決定

(ペイレスイメージズ/アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、9月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選6本の記事と1本のオーサーコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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9月のMVA

三田佳子さん次男の祐也君に20年間つきあってきた者として今回の逮捕に感じた痛み(篠田博之)

筆者による受賞コメント:私の書くものは大半が、世の通説に対して「本当にそれでよいのだろうか」と異論を唱えるものです。これはこれで言論の大切な機能と思っているし、説得力を担保する「事実」の提示にも気を使っています。でも、それをこういう形で認めてくれるYahoo!ニュースの見識も敬服もので、今回の授賞に感謝したいと思います。

篠田博之

選出理由:有名女優の次男が逮捕された事件を受け、20年間にわたって次男と付き合ってきた筆者が自身の思いをこめて書いた一本です。当事者の近くにいる人間からの直接の発信として薬物依存の恐ろしさだけではなく筆者の心の痛み・後悔にも触れ、客観的な報道とはまた違うYahoo!ニュース 個人ならではの価値を感じる内容です。

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震度7で孤立した北海道、台風被害で足止めの関空 自律とボトルネック解消の大切さ(福和伸夫)

筆者による受賞コメント:この夏の一連の災害は改めて日本が災害列島であることに気づかせてくれます。災害を大きくしている原因は私たちの社会にありそうです。経済重視の過度な効率と集中が危ぶまれます。将来を担う方々に、必ず降りかかってくる災害を我がことと思っていただき、社会を見直してもらいたいとの思いで、Yahoo!ニュースに継続的に投稿させて頂いています。そんな地味な災害記事をMVAに選んで下さった編集部の方々に感謝申し上げます。

福和伸夫

選出理由: 6月の大阪府北部の地震、7月の西日本豪雨、7月末の台風12号、記録的な猛暑、9月4日に上陸した台風21号、震度7の揺れが襲った北海道胆振東部地震。立て続けに起きた大きな自然災害が日本に突きつけた問題点や課題を浮き彫りにし、「見たくないことを敢えて見る」態度で対策や防災へと動くべき、と警鐘を鳴らした1本でした。

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「杉田発言に黙ってはいられなかった」 政治学者が自分はレズビアンだと明かした理由(石戸諭)

筆者による受賞コメント:この賞を僕の卒論指導教官であり、インタビューに応じてくれた岡野八代さんに捧げます。大学卒業(2006年)以来、初めての再会で、まさか指導教官の尊厳を賭けた告白を聞くことになるとは思ってもいませんでした。予想をはるかに超える人たちに読まれたことが本当に良かったのかはわかりません。単純な善悪では割り切ることができない複雑な思いがこの社会には確実に存在しているからです。僕と岡野さんの間にも考え方の違いはあります。単純な二元論が幅をきかせるニュース業界において、複雑な思いを受け止めようとする記事が評価されたということを素直に喜んでおこうと思います。

石戸諭

選出理由: 休刊に至った「新潮45」騒動の発端となった寄稿の何が問題なのか、石戸さんならではのインタビューをフックにわかりやすく明示しています。騒動を知っている人はもちろん、知らない人にもわかりやすく、刺さる内容です。

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むずかしすぎる!五輪大会ボランティア応募フォーム(神田敏晶)

筆者による受賞コメント:MVA受賞、ありがとうございます。21世紀の日本の、国家をあげたプロジェクトのボランティアがこんな応募フォームで集められている状況に、心の底から怒りがこみ上げ記事化しました。今からでも遅くないです。本気でボランティアを募集しているのであれば、まずは何よりもボランティアが応募しやすくすべきです。いろんなしがらみやプロセスの中での意思決定だと思いますが、世に出したものが「すべて」です。組織委員会には、そんな「不名誉な記事」が注目されたことの意味を再度検討し、改善につなげていただきたいと感じます。

神田敏晶

選出理由: 何かと話題を呼んでいる東京五輪のボランティア問題ですが、先月公開されたオンラインの応募フォームもそのひとつ。いち早く実際に試して、その使いにくさや課題を、オンラインツールへの知見豊富な神田さんならではのタッチで詳らかにしています。

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部活と漫画でマイナースポーツ「カバディ」に新風(平野貴也)

筆者による受賞コメント:なかなか取り上げられる機会のないカバディの記事を評価いただき、ありがとうございます。マイナーな競技やカテゴリーは、評価される記事にはなりにくいですが、現場で行われていることの価値は、メジャー競技や華やかなプロの世界と比べても劣ることはありません。現場で行われている挑戦、起きている変化を記事にして読者に価値を伝え、スポーツの現場関係者が誇りを持って取り組む一因になれば、嬉しく思います。

平野貴也

選出理由:日本ではマイナーなインド発祥のスポーツ「カバディ」の競技人口が、部活とカバディ漫画の影響で急激に増えているそうです。メディアではほとんど取り上げられることがない、カバディ日本代表が語る日本カバディ界の現在地です。

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二度目の世界選手権に挑む。女子バレー長岡望悠に前を向かせた、宮市亮の言葉(田中夕子)

筆者による受賞コメント:長岡選手が高校生だった頃に初めて取材させていただいてから、将来の可能性だけでなく常に気になる、取材者として特別な選手であり続けました。バレーボール選手として申し分のない才能を持ちながら、真面目すぎて余裕がなく、苦しそうな表情を見ることが多かったせいか、前十字靭帯損傷という大きなケガに見舞われながらも、長いリハビリを経て『やっとバレーができる』と嬉しそうな笑顔を見て、ホッとすると同時に、今まで以上にこれからが楽しみになりました。ケガという決して望むべききっかけでは ありませんでしたが、その経験から新たな出会いを得て選手としてまた転機を得た長岡選手。世界選手権で活躍する姿と共に、多くの方に読んでいただく機会をいただき、とても感謝しています。ありがとうございました。心から感謝を申し上げます。

田中夕子

選出理由:バレーボール選手生命を脅かすと言っても過言ではない左膝の前十字靭帯断裂という大ケガをした日本のエース長岡望悠選手。復帰までの1年半に感じた葛藤や不安、前向きになれたきっかけ(サッカー宮市亮選手の言葉)など、内面の変化を描きながら一つの目標だった世界選手権という大舞台に再び立てる喜びを伝えました。長岡選手に長く寄り添い、信頼関係を築いてきたからこそ書ける1本です。

9月のMVC

『「コンテンツ監視員」がフェイスブックを提訴、業務で心的被害』の記事へのオーサーコメント(今野晴貴)

筆者による受賞コメント:「心理的負荷」は近年ようやく過労自殺の基準などに盛り込まれるようになりましたが、人事の評価基準としては定着していません。この点では海外が先行しています。だからこそ、訴訟になるのだと思います。これからも背景にある問題について、コメントしていきたいと思います。

今野晴貴

選出理由:業務上の心的被害についてのニュースを受けて、労働における「負荷」の評価について歴史的背景などを交えながら解説したコメントです。労働問題に継続的に取り組む筆者ならではの視点で報道の裏に潜む課題を掘り下げます。