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【Yahoo!ニュース 個人】5月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、5月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事と1本のオーサーコメント、筆者の受賞コメントをあわせて紹介します。

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5月のMVA

大学アメフト頂上対決で行なわれた不可解で危険なプレー(三尾圭)

筆者による受賞コメント:問題発生直後は大手メディアはスルーしましたが、SNSの拡散でニュースが広がり、社会問題にまで発展していく姿を見て、ネットメディアが持つ影響力の強さを再認識させられました。記事を書くにあたり試合映像を繰り返し見て、不自然な点を多く感じましたが、憶測でものを書かないようにすることと、反則を犯した選手への配慮には気を配りました。谷底に突き落とされた日本アメフト界ですが、この危機から這い上がり、今後はこのスポーツが持つ素晴らしさを広めて行って頂きたいと願っています。

三尾圭

選出理由:日大アメフト部の悪質タックルを「あまりにも不可解で危険なプレー」と指摘し、大手メディアに先駆けて問題提起しました。選手個人の問題で終わらせるのではなく、「日本のアメフトに関わる人間1人1人が真剣に考える問題だと感じる」と訴えるなど、筆者のアメフトへの熱い思いも伝わってきます。

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ヘンリー王子はなぜメーガン・マークルさんを選んだのか。オバマ前大統領夫妻との関係は。(今井佐緒里)

筆者による受賞コメント:このたびはMVAに選出してくださって、ありがとうございます。私は王室に関しては複眼をもっていると思います。フランスに住み始めたころは「王室がない国ってこうなんだ」という目で見ていましたが、今は「王室がある国ってこうなんだ」という視点をもつようになりました。今回の記事は、対照的な二人の人間の出会いの物語でもありました。血筋で決まる王子と、国民に選ばれた大統領。白人と黒人。元帝国である斜陽の英国と、自由の国アメリカ。親の離婚と母の死で激しく傷ついた元少年と、愛し尊敬しあう妻をもつ年上の男性ーー。私の大元の興味は「異なる文化や文明、民族の出会い」なので、このことが読者に伝われば嬉しいです。また、世代交代をしようとする皇室をもつ日本人にとって、もし何かのヒントになるのなら幸いです。

今井佐緒里

選出理由:世界が注目したロイヤルウェディング。数多くの報道のなかでも、「オバマ」をキーワードに読み解いた本記事は独自の視点が光っていました。ロイヤルウェディングをフックに、米政権の問題や英米関係の変節へと及んでいく筆致にも引き込まれます。

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孤高の元世界王者は今、格差を越えて寄り添う。女子柔道家・佐藤愛子の地域貢献(木村元彦)

筆者による受賞コメント:ヤフーニュースで記事を書く上での自分なりの決め事として、陽の当たりにくい事実の掘り起こしをテーマに掲げました。その意味で元世界チャンピオンの佐藤愛子さんがこころんプロジェクトで取り組んでいる養護施設での活動はぜひ紹介したいと思っていたので、それが受賞したことは望外の幸でした。何より、子どもたちが喜んでくれるであろうことが嬉しいです。

木村元彦

選出理由:女子柔道の元世界王者・佐藤愛子さんの引退後を追った記事。あまり世に知られていない、指導者としての活動や地域貢献の取り組みなど、アスリートのセカンドキャリアを丹念に取材しています。スポーツ現場の課題なども織り交ぜながら問題提起もしており、読み応えがあります。

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飛行機に乗る前に行ってはいけない観光地も~見えてきた沖縄の絶好調の観光産業の課題(中村智彦)

筆者による受賞コメント:沖縄に限らず、仕事柄、空港や駅への送迎のお申し出があることが多いのですが、事情が許す限り、お迎えは辞退し、公共交通機関や自分でレンタカーを運転して行くようにしています。また、その土地の経営者の方や転勤されている方などのお話をできるだけ伺うようにしています。今回の記事は、こうした中で執筆したもので、そうした多くの方のおかげと感謝しております。

中村智彦

選出理由:2017年度にはハワイを超える観光客が来訪し、観光産業が活況を呈している沖縄県。一方で見えてきた観光客急増による課題を、取材や調査をもとにさまざまな観点から解説しています。ほかの地域における観光産業や経済にもおおいに参考になる一本です。

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コートジボワールの作家の絵本を翻訳した富山在住・村田さん アフリカ文学への思いとは?(若林朋子)

筆者による受賞コメント:月間MVAをいただけましたこと、とても励みになります。ありがとうございました。村田はるせさんは「アフリカの現状を少しでも多くの人に知ってもらいたい」との思いから、絵本展・講演会・読書会を「ほぼ手弁当」で開催しています。記事で取り上げた絵本『アヤンダ/おおきくなりたくなかったおんなのこ』は自費出版に近い形で発行にこぎ着けたのだそう。「真実を伝えたい」という姿勢に、筆者も刺激を受けること大です。あらためて、この絵本が1人でも多くの人に読まれますように。今後も、魅力的な人との出会いを記事にしていきたいと思います。

若林朋子

選出理由:情報が少なく、日本からの距離も遠い西アフリカ。筆者は、アフリカ文学研究者で絵本の翻訳をしている村田はるせさんを丹念に取材し、アフリカ独自の思考や価値観を伝えました。なかなか知ることのできない、貴重な情報が詰まった記事です。

5月のMVC

『少女に"みだらな行為"43歳巡査部長逮捕 長野県警』の記事へのオーサーコメント (園田寿)

筆者による受賞コメント:児童を相手とする性犯罪は、刑法以外に、児童福祉法、児童買春禁止法、都道府県の青少年健全育成条例などで規定されており、非常に複雑な内容になっています。法定刑の上限も、児童福祉法では10年の懲役、児童買春禁止法では5年の懲役、健全育成条例では2年の懲役となっており、どのような基準でそれらの犯罪を区別すべきかは、学説においても判例においても混乱しているのが現状です。昨年、刑法典の性犯罪規定は大きな改正を経験しましたが、特別法における性犯罪規定も一度総点検して整理する必要性は高いと思います。

園田寿

選出理由:長野県警の警察官が、少女に淫らな行為をさせて児童福祉法違反容疑で逮捕された事件。同県には子どもを性被害から守る条例があるものの、法律(児童福祉法)との区別があいまいで、条例の行為が一般的に軽いとなっている点も「よく分からない」と指摘しました。すーと読んでしまいがちな記事を、深く掘り下げたコメントです。

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