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ローソン店内調理 まちかど厨房の全国3エリアで地産地消米

渡辺広明コンビニジャーナリスト/流通アナリスト
ローソン北海道エリアでは5月より北海道米ふっくりんこ使用 ローソン提供

11月初めに仕事で札幌に行っていたのは、ちょうど来年オープンする日本ハムファイターズの本拠地"エスコンフィールド北海道"のファウルゾーンが規定に足りてない問題が噴出した日だった。なので帰りの空港に向かう途中にレンタカーで建設予定地に少し寄ってみた。

JR北広島駅からは坂もあり歩いて行くのは難しそう。筆者撮影
JR北広島駅からは坂もあり歩いて行くのは難しそう。筆者撮影

結論から言うと久しぶりにワクワクする場所だった。絶対行きたい。特にサウナに入りながらプロ野球観るって。サウナーの端くれとしてはなる早で行く必要がある。

仕事の合間には小売業チェックも欠かさず、お決まりの道民のソウルコンビニのセイコーマートに行った。なぜ埼玉県と茨城県にあるセイコーマートはほぼ北海道と同じ品揃えなのに、一向に店舗が拡大されないんだろうという疑問が沸々と湧いてきた。全国で6年連続顧客満足度1位のコンビニはセイコーマートで北海道では圧倒的な地位があるのに。

北海道のソウルコンビニ セイコーマート 筆者撮影
北海道のソウルコンビニ セイコーマート 筆者撮影

本部の政策なのか?関東の顧客の嗜好の問題なのか?まずは店舗の周りで聞き込みをしてみたいなあと思った。年内はスケジュール過多で難しそうだけど・・・。

ローソンまちかど厨房の札幌の売場 筆者撮影
ローソンまちかど厨房の札幌の売場 筆者撮影

そして、古巣ローソンにも行ってみた。僕は北海道の商品部に2000年前後に3年半在籍していたので本当の意味で古巣です。なんと、まちかど厨房(店内調理)とおにぎりと弁当のコーナーに目を奪われた。まちかど厨房は北海道米のふっくりんこを使用、それ以外の弁当やおにぎりも全て道産米を使用の地産地消となっていたのだ。

ローソンのおにぎりや弁当も北海道米を使用 筆者撮影
ローソンのおにぎりや弁当も北海道米を使用 筆者撮影

コンビニの地産地消はエリアの野菜・果物や加工品なんかを限られた店舗で扱うぐらいだったのが、今回は主力の中食で、かつ全国チェーンの大手コンビニなのに手間のかかる地産地消を実現している。これは素晴らしい。

ローソンの後輩に電話で聞いてみると5月からすでに取り組みをスタートしていたようだ。

横浜の自宅に戻り記事にしようと思っていたままの日々のバタバタで時が過ぎてしまったところ、ローソンがまちかど厨房で11月22日からエリア別に単一銘柄米の使用をスタートするという。その中では北海道に続き、北東北は秋田県産のあきたこまち、南東北は山形県産の雪若丸と3箇所で地産地消のご当地米を使用するようだ。コンビニの中食が地産地消へと移行していく入り口となりそうだ。

日本はカロリーベースの食料自給率が39%と厳しい環境にあり、小麦に関してはロシアのウクライナ侵攻でグローバル流通が混乱して実際は高値になっているが、物価高対策で輸入小麦を民間に売り渡す価格を10月以降も現在の水準に据え置くことで、パンや麺の価格がなんとか維持されている状況だ。

食料安全保障上の問題は、エネルギー価格高騰による物流費アップなども含めて、グローバル依存による危険性が明確になり、食料自給率を少しでも上げる必要性に迫られるため地産地消が今後より必要で、大手の小売や外食が、米に限らず野菜・果物、肉、魚なんかも含めて店舗のある地元の食材を使うことは、日本の食料自給率アップの重要な施策となりそうだ。

9月中旬に東急東横線から見える唯一の田んぼ、地元日吉の箕輪町の新米を買ってみた。ツヤがあってモチっとしてとても美味しかった。

筆者 地元横浜日吉で収穫された新米 筆者撮影
筆者 地元横浜日吉で収穫された新米 筆者撮影

こちらは希少米という側面があるが一応地産地消。今度はミニトマトをベランダで栽培してみようかなと思ったりもした。究極の地産地消は自給自足だったりして。

コンビニジャーナリスト/流通アナリスト

渡辺広明 1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役として、顧問、商品開発コンサルとして多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。全国で講演 新著「ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた」「コンビニを見たら日本経済が分かる」等も実施中。

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