今年の夏は雨が多く、災害の心配ももちろんですが、農作物への影響も気になるところです。野菜高騰に備えるアイデアをご紹介します。

天候に左右されやすい露地栽培野菜

農林水産省の食品価格動向調査では毎週、野菜8品目の小売価格について全国470店舗で定点観測しています。それによると、今年は5月中旬頃の天候が悪かった影響で、5月末から6月にかけてレタスなど一部品目が高騰しましたが、梅雨入り後は晴天の日が多く生育が良好となったため、価格は落ち着いていました。

しかし、8月に入り立て続けにきた台風と、今もなお続く大雨で、農作物への影響も心配な状況になってきています。最新の同調査によれば、今のところまだ大きな価格変動はないようですが、今後価格が高騰する可能性は十分考えられます。

実際、昨年の夏は曇天・長雨の影響による生育不良・作業遅れで出荷数量が減少し価格が上昇。8月には一時平年比レタスは242%、キャベツは191%など超高騰しました。こうして長く続く災害級の雨の影響が出ることは十分考えられるのです。

野菜値上がりでも食費を抑えるアイデア

野菜の高騰は直接食費アップにつながり、家計にはかなりの痛手になります。ですが、野菜の高騰は度々起こっても、大抵は一時的なものなのでそのうち元の価格に戻るのです。高い野菜を我慢して買うのではなく、高いときにやり過ごすためのアイデアをいくつかご紹介します。

①天候に影響されない野菜を買う

もやしや豆苗、カイワレ大根などのスプラウト野菜は基本的に屋内の施設で栽培されます。キノコ類も同様です。そのため天候の影響は出にくいため、比較的年じゅう価格が安定しています。まずこれらの野菜を活用するのが良いでしょう。

何となく頼りなさそうに見えるスプラウト野菜ですが、実は栄養満点。例えば豆苗の場合、βカロテンはトマトの約7.7倍、ビタミンKはキャベツの約3.5倍、鉄分はピーマンの約2.5倍など、非常に優れた栄養価があるとされています。野菜が高騰し野菜不足で栄養バランスが心配なときには特に、積極的に食卓に取り入れてみましょう。

②冷凍食品や乾物を利用

冷凍野菜は旬の時期に取れる野菜を一斉冷凍するため、安価で品質も安定しています。レタスやキュウリなど生食したい野菜の代替は無理ですが、加熱調理する野菜であれば必要十分です。あらかじめ使いやすくカットされていたり、加熱調理後冷凍されているものも多く、調理の時短にも役立ちます。

また、切り干し大根をはじめとする乾物野菜もぜひ取り入れたい食材。乾物なので、手ごろな価格で年じゅう安定しています。ちなみに切り干し大根は、生の大根と比べると鉄分が約15倍、カルシウム20倍以上も含まれる超健康食品。切り干し大根は煮物のイメージが強いですが、水で戻してそのまま生食も可能ですので、他の野菜とマヨネーズやドレッシングで和えてサラダとしても美味しくいただけます。

③価格変動しない野菜を購入

少量だけ欲しいから、カットするのが面倒だから、といった理由で選ばれることが多い袋詰めのカット野菜。通常であればまるごと野菜を購入するより高くなりますが、野菜が高騰しているときにはカット野菜の方が割安になる逆転現象が起きることがあります。

また、近年人気の野菜のサブスクなどのお取り寄せ野菜も、通常であれば近所のスーパーで買うより高価なことがほとんどですが、野菜が高騰しているときには逆に割安になることもあります。

これらの加工野菜やお取り寄せ野菜の多くは、仕入れる量や金額を前もって契約しているものが多く、年間を通して野菜の価格が変わらないのです。野菜が高騰しているときに、ぜひ価格を比較してみてください。

④スーパーのチラシをチェック

長く天候不良が続き、今後も野菜の価格が高くなることが予想されるような場合には当てはまりませんが、突然の大雨や台風などで急激に野菜の価格が高騰してしまったときには、スーパーのチラシをチェックしてみてください。

多くのスーパーのチラシは、1週間ほど前には校了して印刷されます。そのため、実際売り出される日までに掲載商品が高騰しても、すでにチラシは印刷済みなので、たとえ原価割れになったとしてもチラシ価格で販売されるのです。但し、このような状況の場合、入荷量が非常に少なくなることがありますので、早めにチェックして購入することをおすすめします。

このほかにも、価格が安くなったときに自分で冷凍保存したり漬物を漬けたりといった工夫もできます。ただし夏場は腐敗や食中毒にくれぐれも注意が必要です。野菜は健康を保つためにも大切な食材です。しっかり食べられるよう、工夫して乗り切ってください。

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」