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愛されたいけど愛したくない人々:愛されたいのに当たり散らし、相手を束縛する人の理由と対策

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:男と女はすれちがう(写真:イメージマート)

■健康な大人の恋愛

健康な大人の恋愛では、相手の幸せを願います。ただし、相手の奴隷になるわけではありません。自分のアイデンティティがしっかり確率している。つまり、自分自身がわかっていて、一人でもしっかり生きていける人が、さらに人を愛し、もっと幸せになろうとするのが、本当の大人の恋です。

この場合の「愛する」は、単に相手が美男美女だ、素敵だという感情ではありません。相手の幸せを願う気持ちです。

アイデンティティ論で有名なエリクソンは、大人の発達課題として「親密性」をあげています。私なりに言えば、それは愛する力です。大人としてしっかり愛する力です。

本来ならば、青年期の発達課題であるアイデンティティを確立して、そのあとで、今度は大人としての恋愛に進むのですが、いつもそう上手く行くわけではありません。

大人になり切れないまま形だけの恋愛をすると、悲劇が待っています。それは、年齢の若い子だけの問題ではありません。年齢が高くても、仕事は立派にこなしていても、心理的には大人になっていない人もいるのです。

この人たちは、自分を愛していほしい欲求はとても強いのですが、実は自分からは愛そうとはしていないのです。

この心理的に未成熟な人の恋愛は、相手のための愛や、二人の幸せのための愛ではなく、自分のアイデンティティのための愛になってしまっています。自分を明確にするために、相手を利用しているのです。

そんな人々には、次のような特徴があります。

■愛されたいけど愛したくない人々の特徴

1相手からの賞賛ばかりを求める

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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