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冬至の日の「希望の心理学」

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:光は闇に打ち勝つ(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

■冬至とクリスマス

今日は冬至。一年で昼が一番短い日です。太陽が遅く上り、すぐに沈みます。そして今は、クリスマスシーズン。イエス・キリストは冬には生まれていませんが、古代ローマで太陽が最も力を失うこの時期に太陽神の祭りがあったそうで、それに対してクリスチャンたちが、太陽ではなく太陽を作った本当の神の祭をしようと思い、キリスト誕生記念祭が始まったそうです。

最も暗い時期だからこそ、希望にあふれたイベントをしようと、古代人も考えたのでしょう。

■幸福と希望

心理学の研究によると、幸福は安定から、希望は変化から生まれます。幸福は特別な贅沢ではなく日常生活から生まれます。日ごろの感謝の心、人への親切、良い人間関係、目標に向かって励む、人を許す、運動する、そのような行動習慣から幸福は生まれます。

しかし変化は訪れます。幸せな日常は去り、愛する人を失い、目標は叶わず、ケガで選手生命が絶たれることもあるでしょう。そんな時こそ希望が必要です。希望は悲しみの涙から生まれます。希望は闇の中の小さな光です。

■希望とは

希望学の研究によれば、

希望とは、新しい大切な何かを見つけ、みんなと一緒に一歩踏み出す事から生まれます。

新しい友達、新しい仕事、新しい目標、新しいやりがい。失ったものばかりにとらわれず、新しい大切なものを見つけます。そして、どう行動したらよいか、新しい目標に具体的にどのように近づいたら良いかを知ります。

知った上で、行動を起こします。頭の中で考えているだけでは希望は生まれません。一方踏み出すときに希望は生まれます。悩みが解決したら行動するのではなく、行動することで悩みは小さくなります。

ただ、一人ぼっちで歩み出すのは辛いでしょう。孤独感は希望の大敵です。理解者がいる仲間がいると感じ取れることが大切です。そして希望を持って生きている中で、新しい幸福も生まれてくるのでしょう。

冬来たりなば 春遠からじ

光は闇の中で輝いていた 闇は光に打ち勝たなかった

社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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