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愛を与えるか、厳しくして依存させないか、見極めるためのトラッキングの心理学:甘えと甘やかしは大違い

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

■愛と依存、甘えと甘やかし

愛することは大切です。愛されることが力となり、人生の土台になります。けれども、依存させてはいけません。それは歪んだ人間関係であり、ただ弱い人を作るだけです。

甘えさせることは大切です。けれども甘やかしてはいけません。

相手が、子供でも生徒でも部下でも患者でもクライエントでも、基本は同じです。このようなお話を、「愛と依存:甘えと甘やかし:似ているけれど大きく違う人間関係:アタッチメントの心理学」でいたしました。

ただ問題は、今が愛すべき時なのか、それとも厳しくすべき時なのか、その見極めが難しいということです。

カウンセリングの場などでは、普通なら無視されたり叱られるような事柄も、受容し受け入れ優しくします。けれども、ただ優しいだけのカウンセラーは役立たずです。厳しくすれば良いわけではありませんが、クライエントを甘やかし、カウンセラーに依存するだけの人間を作ってはけません。これは親子も同じですね。

今、愛を与え全てを受け入れるべきか、それとも依存させないようにするべきか、その見極めを「トラッキング」と言います。巧みなトラッキングで、相手の状態をしっかり判断する必要があります。

これは、カウンセリングの場だけのことではありません。家庭でも学校でも、病院でも職場でも、健全な人間関係を作り、人を育てるために大切なことなのです。

■トラッキングとは

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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