いじめからは逃げよう。それは強さと勇気の現われだから。
逃げることも、一つの戦いです。
■「もし、あなたが今、いじめられていたら、とにかく逃げなさい」ネットで拡散する2006年に書かれた文章
ヤフーニュースに載った記事です。
私は、この記事に次のようなオーサーコメントを書きました。
子どもにとって、クラス中の子にいじめられる(いじめっ子がいて、守ってくれる子はいない)という状況は、世界中からいじめられている、自分は無価値な存在だと感じさせます。「逃げる」ことは、おすすめです。
「遺書を書け」は文字通りの意味ではないと思いますが、異常事態が起きていると知らせることは大切です。「逃げる」の中には、「人に相談する」、「大人に知らせる」も入るでしょう。逃げること、相談することは、弱さの現われではなく、生き抜こうとする強さと勇気の現れです。
(碓井真史 2015/03/20/18:00)
■自分を責めてしまういじめ被害者
いじめているのが、一人なら、そのいじめっ子を責めることができます。のび太がジャイアンをやっつけて欲しいと願うように。ところが、クラス中の子にいじめられたり、無視されたり、誰もかばってくれないと、子どもは世界中からいじめられていると感じてしまいます。
そして、いじめっ子をやっつけようというよりも、自分はなんてダメな人間だと感じてしまうのです。もしも、ジャイアンだけではなく、静香ちゃんも出木杉君もいじめてくる、クラス中の子が見てみぬふりをしたら、のび太は戦う気力すら失うかもしれません。
いじめっ子は、巧みにいじめ被害者を心理的に追い込みます。無力感に追いいらせ、反撃の力を奪います。大人に相談することは、「チクリ」だ、卑怯者だといって責めます。
■子どもたちに教えよう
辛いことを、一人ぼっちでがまんし続ける必要はありません。大人には心配かけてよいのです。誰かに相談することは、チクリではなく、正義の告発です。相談は、弱虫のすることではなく、勇者の行為です。
いじめられっこの中には、いじめっ子の仕返しを怖がるだけではなく、いじめっ子が叱られることを気にする子までいます。しかし、いじめっ子も、無視しているクラスのみんなも、このままで良いわけがありません。
みんなのために、いじめ被害者がその場から逃げること、大人に相談することが、大切です。
そして大人たちも、連携しましょう。下手に大騒ぎすれば、逆効果になることもあります。無視をすれば、告白してきた子が激しく傷つきます。しっかり告白を受け止め、大人たちが連携し、いじめ被害をなくしていきましょう。
大人みんなが、全力をあげて君を守ると、伝えたいと思います。
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