■「タッキー&翼」の今井翼さん、メニエール病でライブ休演

メニエール病と診断され、休養している「タッキー&翼」の今井翼(33)が10日から行われるコンサートツアー「Two Tops Tackey&Tsubasa Tour 2014」を休演する。9日、所属事務所の公式サイトで発表された。滝沢秀明(32)1人の出演になる。~

今井は体調不良のため11月6日に検査入院。度重なる目まいに難聴や耳鳴りなどを伴う内耳の病気「メニエール病」と診断された。

出典:今井翼、回復叶わずライブ休演…滝沢秀明1人の出演に スポニチアネックス 12月9日

この記事に、下記のようなオーサーコメントを書きました。

メニエール病は、立っていられないほどの目まいが突然襲ってくる病気です(厚生労働省の特定疾患に指定されている難病)。「目まい」というと、軽いものをイメージしやすいのですが、吐き気もあり、冷や汗をかくほど苦しいそうです。

しばしばこんな症状に襲われると、家事も仕事もできなくなってしまいます。しかし、その苦しさをなかなか周囲は理解してくれません。

メニエール病になりやすい人は、まじめで誠実で一生懸命な人です。その人が、思ったように働けなくなり、その状態を理解してもらえないと、さらに心が苦しくなり、無理をして症状を悪化させます。

無理をせず、しっかり治療することが大切です。有名人の難病は、同じ病で苦しむ他の患者さんにとっても大きな意味があります。温かな支援の下でのご快復を、祈っています。

(碓井真史2014/12/09 14:21)

■理解されにく病、メニエール病とは

メニエール病は、内耳の病気ですが、「全身の病」だと語る医師もいます。

「何のきっかけもなく、突然おこる激しいぐるぐる回る(回転性)めまいが特徴です。回転性のめまいは、30分位から数時間続きます。多くは、めまいに、吐き気、嘔吐、冷や汗、顔面が蒼白くなる、脈が速くなるなどの症状を伴います。」(難病情報センター:メニエール病

命に関わる病気ではありませんが、本当に辛いそうです。具合が悪くなると、しばらくは食事も取れない、風呂にも入れないと言う患者さんもいます。ひどい船酔い状態がずっと続いているようだと言う人もいます。激しい症状を経験してしまうと、外出も怖くなってしまうと語る人もいます。

心と体の疲れ、ストレス、睡眠不足が、症状を悪化させます。生活が不規則でストレスの多そうな芸能人は、大変でしょう。体調を崩せば症状が出やすくなりますが、快調に思えるときにも突然症状が出ると語る患者さんもいます。このように「何のきっかけもなく」症状が出るとなると、仕事には大きな支障が出るでしょう。

こんなに大変なのですが、大量出血するわけでもなく、大きな外科手術をするわけでもなく、命にも別状はないのために、なかなか理解してもらいにくい病気でもあります。

毎日のようにふらふらして休んでいる人を見ると、サボっているように感じてしまう人もいます。やる気がない、精神力が弱いと誤解する人もいます。

メニエール病の人は、病気の症状自体で苦しみ、そしてしばしば周囲の無理解によって苦しんでいます。

■有名人が難病になる意味

メニエール病で苦しんでいる今井翼さんの、一日も早い快復を祈っています。ファンのみなさんも、心から祈っていることでしょう。重い病気になどならないにこしたことはありません。

けれども、有名人が難病になるということは、同じ病で苦しむ他の患者にとっても大きな意味があります。

有名人の病気は大きく報道されます。新聞やテレビに医師が登場し、解説することもあります。患者の会の活動が紹介されたり、患者さんの声が紹介されたりします。雑誌やネット記事にも取り上げられます。これはとても大きなことです。特にあまり知られていない病気や、理解されにくい病気の患者にとっては、大きな力になるでしょう。

海外では、有名人の患者がチャリティーに参加すれば、寄付金がたくさん集まります。

たとえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主演で有名なマイケル・J・フォックスさんは、30歳でパーキンソン病になります。人気絶頂での発病は、本当に辛かったでしょう。しかし彼は後に、パーキンソン病の研究助成活動を始め「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」を設立しています。

彼の活動により、パーキンソン病への理解が深まり、治療のための多くの研究資金が集まりました。また彼の誠実で前向きな姿は、たくさんのパーキンソン患者に、そして私たちみんなに、生きる勇気を与えました。

病気になった有名人の誰もが、こんな活動ができるわけではないででしょう。まずは、ご本人の治療と快復が一番です。しかしそれでも、その病気の患者の中では、とても目立つ人になります。

メニエール病の今井翼さんへの応援と理解は、他のメニエール病患者さんへの応援と理解ににつながるでしょう。そして、今井翼さんの言葉を通して勇気をもらう、たくさんの患者さんやご家族が出ることでしょう。