「こころの定年」を乗り越えるために:魅力的なシルバーになる方法
■こころの定年とは
定年は伸びてきました。でも、定年前に心が燃え尽き、やる気を失う人も増えてきました。経済的に余裕があるなら、早期退職したいという人も、少なくないでしょう。
■2つ目の自分・ストレス対策
仕事が行き詰まったとき、その仕事で突破できれば良いのですが、あまりに仕事のことばかり考えると、かえって泥沼にハマることもあるでしょう。違う視点、違う活動が、新しい道を示すこともあるでしょう。
現代の中年(特に男性)は、以前よりもストレスがたまっています。
毎日新聞から取材を受けて、上記のような話をしました。現代の中年男性は、追いつめられています。今回は、「こころの定年」ということですが、自殺も犯罪も多いですね。
家庭も辛い、仕事も辛い、そしてなかなか解決は難しい。そんなときには、第三の活動の場を見つけます。趣味でもボランティアでも。
家庭と職場しかなくて両方でストレスがたまれば、最活のすべてがストレスの場です。ところが、第三の活動の場を見つければ、仕事と家庭が生活の全部ではなく、生活の三分の二になります。もともとのストレス自体は変わらなくても、相対的にストレスが小さくなります。
■中年クライシスの乗り越え方:素敵なシルバーになる方法
発達心理学者エリクソンの考え方では、それぞれの年代に乗り越えるべき発達課題(人生の宿題)があると言われています。青年期の発達課題は、自我同一性(アイデンティティ)の確立です。成人期の発達課題は、「愛する力」。そして、中年期の発達課題は、「育てる喜び」です。
中年になると、人生の先が見えてきます。俺の人生はこんなものだったかと、停滞感が押し寄せます。さらに、中高年になれば、なおさらでしょう。でも、「育てる喜び」を見いだした人は、別です。
仮に自分自身の将来は見えてきたとしても、会社や地域や家族には大きな未来があると理解し、彼らを立派に育てることが生きがいだと感じられると、中高年になっても、希望を失いません。
若くても、中年でも自分の能力を十分に活かしている「ウェルビーング」の状態です。
アップルのスティーブ・ジョブズは、病床に多くのIT起業家を呼んで、自分が学んできたことを惜しげなく伝えたそうです。
私たちにも、それぞれの場で、それぞれの年齢に応じた役割りを、見つけたいものです。