Yahoo!ニュース

ドジャースは前日に好リリーフの若手をマイナーリーグへ降格させる

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・ハート(ロサンゼルス・ドジャース)MAR 17, 2024(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 3月31日、ロサンゼルス・ドジャースは、ナビル・クリズマットをメジャーリーグに昇格させた。そして、エメット・シーハンを15日間の故障者リストから60日間の故障者リストへ移し、カイル・ハートをマイナーリーグへ降格させた。マイナーリーグ契約のクリズマットを40人ロースター(メジャーリーグのロースター)と26人ロースター(試合に出場できるアクティブ・ロースター)に入れるため、それぞれの枠を空けた。

 クリズマットは、29歳の右投手だ。メジャーリーグ4年目の昨シーズンは、サンディエゴ・パドレスとアリゾナ・ダイヤモンドバックスで計8試合に登板し、13.0イニングで13失点(自責点12)ながら、パドレスで50登板の2022年は、67.1イニングで防御率2.94を記録した。チェンジアップを多投し、ゴロを打たせる投球を持ち味とする。スタットキャストによると、投球の半数前後をチェンジアップが占め、ゴロ率は50%を超えている。

 ハートは、25歳の右投手だ。来月30日に26歳の誕生日を迎える。昨年9月にメジャーデビューした。今シーズンは、ここまで2登板。3月30日は、8回表と9回表を完璧に抑え、無死二塁から始まった10回表は、内野ゴロ2本で1点を取られたが、自責点はなし。その後は、ヒットに続き、三塁を守っていたマックス・マンシーのエラーにより、一、三塁となったところで降板した。

 2.2イニングで34球を投げたので、連投はさせにくい。クリズマットとの入れ替えは、それが理由ではないかと思われる。

 ハートは、メジャーリーグとAAAを行き来することになりそうだ。ただ、ハートと違い、クリズマットのマイナーリーグ・オプションは残っていない。降格させるには、ウェーバーを経由する必要があり、その際、他球団に獲得される可能性もある。

 ドジャースのブルペンは、ブルースター・グラテロールブレイク・トライネンを欠いている。2人とも、復帰は早くて今月中旬だろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事