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トレードで獲得した24歳を早くもレギュラーから格下げ!? 35歳のベテランを呼び戻す

宇根夏樹ベースボール・ライター
アダム・デュボール Jun 9, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月14日、アトランタ・ブレーブスは、アダム・デュボールと1年300万ドルの契約を交わしたことを発表した。

 デュボールは、2018~20年と2021~22年にブレーブスでプレーしている。どちらも、夏のトレードでブレーブスに加入した。現在の年齢は35歳。外野3ポジションを守る。

 シーズン30本塁打以上は、3度を数える。2016~17年に続き、3度目の2021年は、40本塁打まで2本に迫り、ナ・リーグ最多の113打点を挙げた。昨年は、92試合で21本塁打。開幕7試合で4本のホームランを打ったが、8試合目の守備の際に左手首を骨折し、長期離脱を余儀なくされた。復帰後、8月は月間9本塁打を記録した。

 3ヵ月前、ブレーブスは、ジャクソン・コワーコール・フィリップスの両投手をシアトル・マリナーズへ放出し、交換に3人、外野手のジャレッド・ケルニック、投手のマルコ・ゴンザレス、一塁手のエバン・ホワイトを獲得した。

 その数日後、ゴンザレスとホワイトは、それぞれ、ピッツバーグ・パイレーツとロサンゼルス・エンジェルスへ放出されたが、ケルニックは、ブレーブスに残っている。

 デュボールが加わるまでは、レフトのレギュラーとして起用される予定だった。移籍当初はボーン・グリッソムと併用の可能性もあったが、グリッソムは、年末にクリス・セールと交換され、ボストン・レッドソックスへ移った。

 ケルニックは24歳だ。ドラフト順位は、2018年の全体6位。高校生に限ると、最初に指名された。その半年後に、ニューヨーク・メッツからマリナーズへ移籍。2021年にメジャーデビューする前は、ベースボール・アメリカとMLB.comのどちらからも、プロスペクト・トップ100の全体4位に挙げられていた。

 ブレーブスのセンターとライトには、マイケル・ハリス2世ロナルド・アクーニャJr.がいる。DHは、マーセル・オズーナだ。左打者のケルニックと右打者のデュボールは、レフトで併用されると思われる。

ジャレッド・ケルニック Feb 24, 2024
ジャレッド・ケルニック Feb 24, 2024写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ケルニックがまだブレイクしていないことは、トレードで獲得した時点でわかっていたことだ。今春の不振がデュボールの加入につながった、という見方もできる。ここまで、12試合で34打数3安打(打率.088)。長打は打っていない。それに加え、開幕が近づき、デュボールの金額が下がったので、ブレーブスはケルニックのバックアップとして迎え入れたのかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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