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トラウトとトラウトの間にMVPを受賞した三塁手が引退。2010年代後半の156本塁打は10位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ドーナルソン Sep 27, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月4日、ジョシュ・ドーナルソンは、ポッドキャストの「ザ・メイヤーズ・オフィス・ウィズ・ショーン・ケーシー」に出演し、引退を表明した。現在の年齢は38歳だ。

 ドーナルソンは、レイト・ブルーマー(遅咲き)だった。2007年にドラフト全体48位指名を受け、2010年にメジャーデビューしたものの、2011年のメジャーリーグ出場はなく、2012年もメジャーリーグとAAAを行き来した。

 ブレイクしたのは、捕手としてのキャリアに終止符を打った2013年だ。27歳のドーナルソンは、三塁を守り、24本のホームランを打ち、出塁率.384を記録。MVP投票で4位にランクインした。2013~17年の順位は、ア・リーグ4位→8位→1位→4位→22位タイ。2019年も、ナ・リーグ11位に位置した。

 MVPを受賞した2015年は、ドーナルソンが385ポイント、2位のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は304ポイント。トラウトのMVP3度は、この前後と2019年だ。

 2010年代の後半(2015~19年)に、ドーナルソンは、30本塁打以上を4度記録した。この5シーズンのホームランは、41本、37本、33本、8本、37本。出場52試合にとどまった2018年がありながら、計156本塁打は、このスパンにおいて10番目に多い。5シーズンのトータル出塁率.382も、2000打席以上の155人中10位。キャリアを通し、ゴールドグラブは手にしていないが、ドーナルソンは、バッティングだけの選手ではなかった。オールスター・ゲームには、2014~16年に3年続けて選ばれた。

 通算13シーズンに打ったホームランは279本、出塁率は.358、OPSは.847だ。おそらく、ドーナルソンが殿堂入りすることはないだろう。けれども、2010年代を代表する選手の一人だったことは間違いない。その風貌を含め、印象は強い。

 なお、ドーナルソンは、ホームランを打ち、ダイヤモンドを回ってきた直後に退場を宣告されたこともある。それについては、こちらで書いた。

「本塁打を打った選手がホームインの際に「退場」させられる。その理由は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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