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エンジェルスでリリーフから先発に転向するのは1人ではなく2人!? この動きが意味するのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・ソリアーノ(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 25, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今春、アンドルー・ワンツ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、先発投手として調整を行っている。

 エンジェルスがリリーフ投手から先発投手へ転向させようとしているのは、ワンツだけではないらしい。3月2日、先発マウンドに上がったホゼ・ソリアーノは、3イニングを投げた。

 メジャーリーグ1年目の昨年は、いずれもブルペンから登場し、38試合に登板。42.0イニングで奪三振率12.00と与四球率4.93、防御率3.64を記録した。2イニングを超えて投げた試合は、一度もなかった。

 今オフ、エンジェルスは、リリーフ投手をかき集めた。ロバート・スティーブンソン(3年3300万ドル)、マット・ムーア(1年900万ドル)、ルイス・ガルシア(1年425万ドル)、ホゼ・シスネロ(1年175万ドル)、アダム・シンバー(1年165万ドル)といった具合だ。ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)には、ドルー・ポメランツハンター・ストリックランドアダム・コレアリックもいる。

 ソリアーノは、「先発転向」よりも「先発復帰」という見方もできる。2022年までは、マイナーリーグで先発投手として投げてきた。ピッツバーグ・パイレーツに在籍していた2021年を含め、2016~19年と2021~22年の計70登板は、先発登板が66度とリリーフ登板が4度だ。2020年は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、マイナーリーグの試合は行われなかった。

 ただ、ワンツもソリアーノも、ローテーションに入るかどうかは、まだわからない。どちらかと言えば、ブルペンの一員として開幕を迎える可能性のほうが高そうだ。おそらく、エンジェルスは、先発投手の候補を増やしているのだろう。

 ということは、ブレイク・スネルジョーダン・モンゴメリーだけでなく、まだFA市場に残っている他の先発投手――例えば、かつてエンジェルスで投げたマイケル・ロレンゼンノア・シンダーガード――にも、手を出さないのかもしれない。

 なお、ワンツの先発転向とエンジェルスのローテーションについては、こちらで書いた。

「エンジェルスはこのリリーフ投手を先発投手に転向させる!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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