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藤浪晋太郎にもローテーション入りのチャンスはあるのか。千賀滉大に続いて別の先発投手も離脱

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・クラニック(ニューヨーク・メッツ)Feb 26, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・メッツは、千賀滉大を欠いて開幕を迎える。右肩を痛め、復帰は早くても4月下旬になりそうだ。

 千賀だけでない。デビッド・ピーターソンは、11月初旬に腰の手術を受け、最初の2ヵ月は欠場の見込みだ。さらに、マックス・クラニックも出遅れる。ニューヨーク・ポストのマイク・プーマらによると、2月29日、カルロス・メンドーザ監督はクラニックについて、左の太腿裏を痛め、開幕は故障者リスト入り、と語ったという。

 昨年、ピーターソンは、先発→リリーフ→先発として投げ、最初の先発11登板は防御率6.46だったが、ローテーションに戻った8月以降は、10登板で防御率3.88を記録した。クラニックは、1月にウェーバー経由でピッツバーグ・パイレーツから加入。メジャーリーグで投げたのは、2021年の先発9登板と2022年のリリーフ2登板に過ぎないが、先発5番手の候補の一人として目されていた。

 もっとも、藤浪晋太郎が先発に回る可能性はないと見ていいだろう。ルイス・セベリーノショーン・マネイアホゼ・キンターナエイドリアン・ハウザーの4人は、千賀の怪我が発覚する前から、ローテーション入りが予定されていた。あとの1枠も、クラニックがいなくなっても、候補は少なくない。タイラー・メギルジョーイ・ルケイシーホゼ・ブートーらがそうだ。

 昨年、メギルは、防御率こそ4.70ながら、先発25登板と126.1イニングは、千賀に次いでメッツで2番目に多かった。ルケイシーは、昇格と降格を繰り返しつつ、メジャーリーグでは、先発9登板の46.2イニングで防御率2.89を記録した。ブートーは、先発7登板とリリーフ2登板の計42.0イニングで防御率3.64。9月からはローテーションに加わり、5登板中4登板は、5イニング以上を投げて2失点以下にとどめた。

 藤浪は、リリーバーとして開幕ロースターに入るかどうかも、確定はしていない。マイナーリーグで開幕、ということになっても、おかしくはない。

 ブルペンが8枠だとすると、そのうちの5枠は、エドウィン・ディアズブルックス・レイリーアダム・オッタビーノドルー・スミスジェイク・ディークマンで決まりだろう。あとの3枠は、藤浪、ホルヘ・ロペスフィル・ビックフォードに、2018年は北海道日本ハム・ファイターズで投げたマイケル・トンキンを含めた4人中3人が有力だと思われる。そこに、ショーン・リード-フォーリーヨハン・ラミレスが割って入ることもあり得る。

 なお、藤浪の球速については、こちらで書いた。

「藤浪晋太郎の速球は、メジャーリーガーのなかでどれくらい速いのか。4シームは平均98.4マイル」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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