エンジェルスはこのリリーフ投手を先発投手に転向させる!?
2021年のメジャーデビュー以来、アンドルー・ワンツ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、リリーフ投手として投げてきた。通算90登板のなかには、先発登板が4度あるものの、いずれも、オープナーあるいはブルペン・ゲームの1人目だ。4登板とも、2イニング以下で降板している。
だが、ともにエンジェルスのビート・ライターである、ジ・アスレティックのサム・ブラムとMLB.comのレット・ボーリンジャーによると、ロン・ワシントン監督は、今のところはワンツを先発投手に転向させる方向、と語ったという。
2月25日のエキシビション・ゲームで、ワンツは、先発投手として2イニングを投げた。1回表は3人で終わらせ、2回表は3本のヒットを打たれたものの、ライトを守っていたアーロン・ヒックスの好返球により、無失点で切り抜けた。
もっとも、先発投手の層を厚くするのが目的であり、ワンツのローテーション入りは、確定しているわけではない。現時点では、可能性もそう高くなさそうだ。
昨年、エンジェルスで先発22登板以上の5人中、退団したのは、FAとなってロサンゼルス・ドジャースへ移籍した大谷翔平だけだ。
5人でローテーションを組むのであれば、ここから、FA市場に残っている先発投手が加入しなくても、人数は足りる。パトリック・サンドバル、リード・デトマーズ、グリフィン・キャニング、タイラー・アンダーソンの4人に、昨年はリリーフ登板と先発登板が8試合ずつのチェイス・ソーセスがいる。ソーセスは、オールスター・ブレイク後に先発投手として7試合に投げ、33.2イニングで防御率3.21を記録した。
また、誰かが離脱した場合の代役候補も、皆無ではない。ホゼ・スアレスは、5月初旬に左肩を痛めるまで、その時点の防御率は9.62ながら、ローテーションに入っていた。今オフ、1年100万ドルの契約で入団したザック・プリーサックは、これまで、クリーブランド・インディアンズ/ガーディアンズで先発投手として投げてきた。通算84登板のうち、ブルペンから登場したのは、2022年の1度しかない。
とはいえ、ワンツは、リリーフ投手よりも先発投手のほうが向いているかもしれない。昨年は39.1イニングで防御率3.89を記録し、被打率は.194、WHIPは1.09だったが、登板した時点で塁上にいた走者17人のうち、70.6%の12人に生還を許し、チームメイトの防御率を悪化させた。