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10年契約の大谷翔平はドジャースで最も多くのホームランを打った選手になれるのか。球団最多は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、大谷翔平は、ロサンゼルス・エンジェルスからFAとなり、ロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドルの契約を交わした。

 2018年のメジャーデビュー以降、大谷は、6シーズンに計171本のホームランを打っている。1シーズンの平均本塁打は28.5本だ。短縮シーズンの2020年、44試合で7本塁打を除くと、平均は32.8本となる。

 ドジャースの通算本塁打トップ10は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 1位から9位までは、ドジャースの選手としてメジャーデビューした(4位のロイ・キャンパネラは、その前にニグロリーグでプレー)。10位のマックス・マンシーは、2015~16年にオークランド・アスレティックスで96試合に出場。2017年の4月下旬にドジャースとマイナーリーグ契約を交わし、1年後にメジャーリーグ3年目を迎え、35本塁打とブレイクした。

 ちなみに、現在、ドジャースに在籍している選手のうち、マンシーに次ぐのは、113本塁打のムーキー・ベッツだ。ベッツは、ボストン・レッドソックスで139本塁打を記録している。それぞれの順位は、ドジャースの28位とレッドソックスの21位。レッドソックスの最多は、521本塁打のテッド・ウィリアムズだ。

 マンシーとベッツの間には、3人の現役選手、156本塁打のジャスティン・ターナー(現トロント・ブルージェイズ)、152本塁打のコディ・ベリンジャー(現FA)、130本塁打のジョク・ピーダーソン(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)がいる。

 大谷は、契約満了まで移籍することなくドジャースでプレーし、その10シーズンに平均32.8本のホームランを打つと、389本塁打のデューク・スナイダーと361本塁打のギル・ホッジスに次ぎ、ドジャースの3位にランクインする。ロサンゼルスに移転した1958年以降に限れば、最多となる。こちらは、270本塁打のエリック・ケアロスが最も多い。

 大谷のシーズン年齢(6月30日時点)は、今年が29歳、契約10年目の2033年は38歳だ。過去には、29歳から38歳までの10シーズンに、390本以上のホームランを打った選手もいる。

 ただ、その人数は少なく、4人しかいない。ベーブ・ルースが1924~33年に448本塁打、バリー・ボンズが1994~2003年に436本塁打、サミー・ソーサが1998~2007年――2006年はプレーせず――に402本塁打、ラファエル・パルメイロは1994~2003年に396本塁打。ルース以外の3人は、いずれも、ステロイド時代のスラッガーだ。

 大谷がドジャースで最も多くのホームランを打った選手になるとすれば、10年契約が終わった後も、ドジャースでプレーした場合ではないだろうか。

 マンシーとベッツは、今年のシーズン年齢が33歳と31歳。マンシーの契約は2025年まで(2026年は球団オプション)、ベッツは2032年までだ。

 なお、大谷の171本塁打は、エンジェルスの8位に位置する。すぐ上の7位は、173本塁打のブラディミール・ゲレーロ。トップは、368本塁打のマイク・トラウトだ。エンジェルスで300本塁打以上は、トラウトしかいない。ティム・サーモンは、エンジェルス一筋にプレーし、299本のホームランを打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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