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エース2人を手放した球団が、その一方を呼び戻す。過去3年はともに防御率2点台&奪三振率10.00以上

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・ウッドラフ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Apr 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブランドン・ウッドラフコービン・バーンズは、ダブル・エースとして、ミルウォーキー・ブルワーズを牽引してきた。

 過去3年のスタッツは、ウッドラフが399.2イニングで奪三振率10.70と与四球率2.25、防御率2.70とFIP3.11。バーンズは、562.2イニングで奪三振率10.83と与四球率2.42、防御率2.94とFIP2.92だ。

 ブルワーズは、この3シーズンとも勝ち越した。2021年と2023年は、90勝以上を挙げ、地区優勝を飾った。2022年の86勝は、ポストシーズンへ進めなかったチームのなかで最も多かった。

 2人とも、FAまで1シーズンとなった今オフ、ブルワーズは、ウッドラフをノンテンダーとし、バーンズをトレードでボルティモア・オリオールズへ放出した。

 バーンズのトレードについては、こちらで書いた。

「球団売却を発表した直後に、FAまで1年のエースをトレードで獲得する。2つの動きに関連はあるのか」

 バーンズと違い、ブルワーズが見返りを得ることなく、ウッドラフを手放したのは、健康状態が理由だ。ウッドラフは、2023年のシーズン序盤と終盤に肩を痛め、10月に手術を受けた。そのまま保有していれば、ほぼ全休の投手に対し、1000万ドルを超える年俸を支払うことになる。

 ウッドラフのノンテンダーについては、こちらで書いた。

「この球団がノンテンダーFAとした3人中2人は、前年に35本塁打の一塁手と防御率3.05の先発投手」

 だが、ノンテンダーから3ヵ月後、ブルワーズは、ウッドラフを呼び戻したようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンは、Xに「速報:ブランドン・ウッドラフがブルワーズへ戻る。2年契約」と書き込んだ。MLB.comのマーク・フェインサンドも、そう報じている。

 契約の内容は明らかになっておらず、ウッドラフがディスカウントに応じたのか、ブルワーズが奮発したのかは、まだわからない。ただ、ブルワーズ以外にも、契約を申し出た球団はあったのではないだろうか。再びの快投は、大いにあり得る。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は32歳だ。リハビリが順調に進めば、今秋のポストシーズンで投げる可能性も――ブルワーズが進出した場合――ゼロではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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