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26歳の野手が2ヵ月に4度移籍。昨年のメジャーリーグ出場は1打席だが、たらい回しではなく大人気!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディエゴ・キャスティーヨ Oct 5, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月16日、ボルティモア・オリオールズは、ウェーバー公示中だったディエゴ・キャスティーヨを、フィラデルフィア・フィリーズから獲得した。この3日前に、フィリーズは、キャスティーヨを40人ロースターから外した。

 今オフ、キャスティーヨの移籍は、これが4度目だ。それまでの3度も、今回と同じく、ウェーバー公示中に獲得の名乗り、というパターンだった。1月5日にアリゾナ・ダイヤモンドバックス→ニューヨーク・メッツ、19日にメッツ→ニューヨーク・ヤンキース、2月5日にヤンキース→フィリーズと動いた。

 キャスティーヨは、2022年にピッツバーグ・パイレーツでメジャーデビューし、96試合で打率.206と出塁率.251、11本塁打と1盗塁を記録した。2023年は、ダイヤモンドバックスで出場1試合。7月末に代打として起用され、ライト・フライに仕留められた。

 パイレーツでは、遊撃、二塁、ライトの3ポジションとも135イニング以上を守り、一塁と三塁の守備にもついた。マウンドには、2度上がった。2登板はさておき、キャスティーヨを獲得する球団が絶えないのは、この汎用性が大きな理由だろう。

 また、キャスティーヨは26歳と若く、昨年、ダイヤモンドバックス傘下のAAAでは、124試合で打率.313と出塁率.431、3本塁打と13盗塁を記録した。これから開花する可能性も、なくはない。

 ただ、どの球団にとっても、40人ロースターから絶対に外せない選手ではない、ということだ。

 ちなみに、もう一人のディエゴ・キャスティーヨ、30歳のリリーフ投手は、タンパベイ・レイズ(2018~21年)とシアトル・マリナーズ(2021~23年)で投げてきて、今オフは、テキサス・レンジャーズとマイナーリーグ契約を交わした。ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)だ。

 なお、オリオールズは、キャスティーヨを40人ロースターに入れるため、リバン・ソトをそこから外した。今月8日、ソトは、こちらもウェーバー経由で、ロサンゼルス・エンジェルスからオリオールズへ移った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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