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前エンジェルスのエスコバーが得たのは、メジャーリーグ契約なのか、マイナーリーグ契約なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
エデュアルド・エスコバー Sep 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 エデュアルド・エスコバーの球団が決まったようだ。ファンサイデッドのロバート・マリーが、トロント・ブルージェイズとの契約が進んでいる、と報じたのに続き、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンは、ジェイズと合意、身体検査はまだ、と伝えている。

 メジャーリーグ契約とマイナーリーグ契約のどちらなのかは、まだ判明していないようだ。

 先日、マイク・ムスタカスは、シカゴ・ホワイトソックスとマイナーリーグ契約を交わした。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、開幕ロースターに入ると年俸は200万ドル。そこに、最高200万ドルのパフォーマンス・ボーナス(出来高)もついているという。

 昨年、エスコバーとムスタカスは、ロサンゼルス・エンジェルスでチームメイトとしてプレーした。エスコバーは6月24日のトレード、ムスタカスはその翌日のトレードにより、それぞれ、ニューヨーク・メッツとコロラド・ロッキーズから移籍した。

 現在の年齢は、ともに35歳だ。今年1月と昨年9月に誕生日を迎えた。彼らは、内野手という点も共通する。2人とも、2019年は、35本のホームランを打った。

 2023年のスタッツは、エスコバーが計99試合に出場し、打率.226と出塁率.269、6本塁打、OPS.613。ムスタカスは、計112試合で打率.247と出塁率.293、12本塁打、OPS.685を記録した。わずかながら、ムスタカスのほうが上だ。また、エスコバーのシーズン30本塁打以上は1度きりだが、ムスタカスは2度。その1度目は、2017年の38本塁打だ。

 ムスタカスがマイナーリーグ契約ということは、エスコバーもマイナーリーグ契約の可能性が高そうに思える。

 もっとも、そうとは限らない。エスコバーは、2021~22年に2シーズン続けて20本塁打以上を記録している。両シーズンとも、OPSは.725以上だ。一方、ムスタカスは、2021年も2022年も10本塁打未満。本数の少なさは、2シーズンで計140試合の出場も理由だが、OPSは.653と.640だった。

 さらに、ムスタカスが左打者であるのに対し、エスコバーはスイッチ・ヒッターだ。ポジションの汎用性も、エスコバーのほうが高い。ムスタカスがメジャーリーグで守ったことがあるのは、遊撃以外の内野3ポジションだ。エスコバーは、内野4ポジションに加え、外野3ポジションと登板の経験もある。

 2023年は、エンジェルスで3度、マウンドに上がった。3登板目は、イニングをまたいで投げた。

【追記:2/17】

 エスコバーとブルージェイズは、マイナーリーグ契約を交わした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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