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シーズン10勝以上を継続している投手は、MLB移籍の山本由伸を含めて4人。最長は3年連続

宇根夏樹ベースボール・ライター
宮城大弥 MAR 11, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 2023年に10勝以上を挙げた投手は、18人を数えた。連続二桁勝利は4人だ。山本由伸(当時オリックス・バファローズ/現ロサンゼルス・ドジャース)、髙橋光成(埼玉西武ライオンズ)、宮城大弥(オリックス)の3人は、3年連続10勝以上。戸郷翔征(読売ジャイアンツ)は、2020~21年に9勝ずつを挙げた後、2年続けて二桁勝利を記録している。

 白星あるいは黒星、勝敗つかずは、自身の投球以外の要素にも左右される。とはいえ、1シーズンに10登板未満の投手は、二桁の白星を挙げることはできない。また、先発登板の場合、少なくとも5イニングを投げないと、勝利投手にはなれない。リリーフ投手の二桁勝利も、不可能ではないとはいえ、難しい。

 2023年に二桁勝利の投手たちが、直近3年に挙げた白星は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 山本は、3年続けて15勝以上を記録している。2020年以降のシーズン15勝以上は、他には、2023年に16勝の東克樹(横浜DeNAベイスターズ)しかいない。なお、1チーム120試合の短縮シーズンだった2020年は、14勝の菅野智之(読売)が最多。11人が10勝以上を記録した。

 2022年が終わった時点で、二桁勝利のストリークを最も長く継続していたのは、2016~22年に7年連続10勝以上の千賀滉大(当時・福岡ソフトバンク・ホークス/現ニューヨーク・メッツ)だ。千賀は、メジャーリーグ1年目の2023年に12勝を挙げたので、日米を合わせると、8年連続10勝以上を継続中ということになる。

 青柳晃洋(阪神タイガース)、則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)、伊藤大海(北海道日本ハム・ファイターズ)は、2021~22年に2年続けて二桁の白星を挙げていた。2023年は、8勝、8勝、7勝だった。

 3人のうち、青柳は、2023年の登板が20に届かず、その前の2シーズンは2.50未満だった防御率も4.57に上昇した。伊藤の防御率も、2.90→2.95→3.46と推移している。ただ、則本の防御率は、3.17→3.53→2.61だ。この3シーズンのなかでは、2023年の防御率が最も低かったが、白星は最も少なかった。

 現在、連続シーズン10勝以上を継続している4人の防御率は、山本が1.39→1.68→1.21、髙橋が3.78→2.20→2.21、宮城が2.51→3.16→2.27、戸郷は(4.27→)2.62→2.38だ。

 シーズン二桁本塁打を継続している選手については、こちらで書いた。

「シーズン10本塁打以上を継続中の選手たち。最長は浅村栄斗と丸佳浩。20本塁打以上の最長は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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