Yahoo!ニュース

山本由伸の代わりにロースターから外れた投手がトレードで新天地へ。交換相手は18歳の「原石」

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライアン・ハドソン Aug 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月3日、ミルウォーキー・ブルワーズは、ジャスティン・チェンバースとPTBNL(後日決定選手)、あるいはチェンバースと金銭と交換に、ロサンゼルス・ドジャースからブライアン・ハドソンを獲得した。

 チェンバースは、18歳の左投手だ。昨年のドラフトでブルワーズから指名され、アリゾナ州の高校からプロ入りした。まだ、マイナーリーグでも、登板はしていない。

 ドラフトの順位は、20巡目・全体602位。昨年の指名は614人なので、チェンバースは下から数えて13番目だが、これは、アリゾナ州立大に進学する予定だったことに加え、ドラフトの前にトミー・ジョン手術を受けていたことが理由だと思われる。

 チェンバースの契約金が54万7500ドルであるのに対し、20巡目の他の選手の契約金は、高くても15万ドルだ。また、ブルワーズに入団した18人中、チェンバースの契約金は、上から6番目に位置する。

 一方、こちらも左投手のハドソンは、5月初旬に27歳の誕生日を迎える。昨年6月にメジャーデビューし、6登板の8.2イニングで7失点(自責点7)を記録した。先月下旬、ドジャースは、山本由伸を40人ロースターに入れるため、ハドソンをそこから外した。

 ハドソンがマイナーリーグで記録してきたスタッツからすると、これから、三振を奪うだけでなくゴロを打たせる投手として、台頭する可能性もある。それについては、こちらで書いた。

「山本由伸の入団に伴い、6月にデビューした投手がロースターから外れる。来年はドジャース相手に投げる!?」

 ハドソンが開幕ロースターの26人に入れるかどうかは、微妙なところだ。左のリリーバーは、ホビー・ミルナーの他に、多くても、あと1人か2人だろう。ミルナーは、2023年に73登板で64.1イニングを投げ、防御率1.82を記録した。その候補には、イーサン・スモールクレイトン・アンドルース、ハドソン――3人ともシーズン年齢(6月30日時点)が27歳――に、マイナーリーグ契約で入団したロブ・ザストリズニーもいる。

 ブルワーズとドジャースは、7月5~7日と8月12~15日に、計7試合を行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事