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MVPを3人擁するのはドジャースだけ!? ベッツ、フリーマン、大谷

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とムーキー・ベッツ Jul 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンのロサンゼルス・ドジャースには、MVPの受賞者が3人揃う。ムーキー・ベッツフレディ・フリーマンに、大谷翔平がそうだ。

 彼らは、いずれも、ドジャースに入団する前に、MVPを受賞した。ベッツはボストン・レッドソックス時代の2018年、フリーマンはアトランタ・ブレーブス時代の2020年、大谷はロサンゼルス・エンジェルス時代の2021年と2023年に選出された。

 現時点で、MVPの受賞者が3人以上いるチームは、ドジャースとヒューストン・アストロズの2チームだ。アストロズの3人のうち、ジャスティン・バーランダーは投手なので、MVPの野手3人はドジャースだけ、ということになる。

筆者作成
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 今シーズンも、ドジャースには、MVPが3人いた。ベッツとフリーマンに、こちらも投手のクレイトン・カーショウ(現FA)だ。開幕時点ではホゼ・アルトゥーベホゼ・アブレイユの2人だったアストロズも、夏のトレードでバーランダーが加わった。バーランダーは、昨オフにアストロズからFAとなり、ニューヨーク・メッツと2年8666万6666ドル(2023~24年)の契約を交わした。そこから、1年経たずにアストロズへ戻った。

 ドジャースとアストロズは、どちらも地区優勝を飾った。けれども、MVPが3人いても、勝てるとは限らない。今シーズン、ニューヨーク・ヤンキースは、MVPを受賞したことのある野手3人、ジョシュ・ドーナルソン(現FA)、ジャンカルロ・スタントンアーロン・ジャッジを擁して開幕を迎えたが、7年ぶりにポストシーズン進出を逃した。ドーナルソンは、8月下旬にヤンキースから解雇され、ミルウォーキー・ブルワーズに入団。そして、ポストシーズンでもプレーした。

 MVPを受賞していても、すでに全盛期を過ぎていることもある。ベッツ、フリーマン、大谷の場合、MVPトリオよりも、特筆すべきは、近年の成績だ。

 ここ3シーズンに計1200打席以上の158人中、出塁率.370以上は13人、OPS.900以上は9人。このどちらにも名を連ねる選手は、8人だ。ちなみに、マイク・トラウト(エンジェルス)は.382と.962だが、1007打席なので、158人に入っていない。そこから、ベッツ、フリーマン、大谷の3人を除くと、来シーズン、同じチームでプレーするのは、ジャッジとホアン・ソトしかいない。ソトは、今オフのトレードにより、サンディエゴ・パドレスからヤンキースへ移籍した。

筆者作成
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 しかも、ドジャースが擁する3人は、今シーズン、いずれも出塁率.400以上とOPS.970以上を記録した。ベッツが.408と.987、フリーマンが.410と.976、大谷は.412と1.066だ。ヤンキースの2人は、ジャッジが.406と1.019、ソトは.410と.930。ジャッジは規定打席に達しておらず、ソトのOPSは、高水準とはいえ、ドジャースに揃った3人ほどは高くない。

 なお、今年のMVP投票で、大谷は、ア・リーグ1位。ベッツとフリーマンは、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)に次ぐ、ナ・リーグ2位と3位に位置した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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