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投手の契約総額ランキング。山本由伸のトップ10入りは間違いなし!? 最高額は9年3億2400万ドル

宇根夏樹ベースボール・ライター
エイミー・コール(左)とゲリット・コール Dec 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、フィラデルフィア・フィリーズからFAとなったアーロン・ノラは、フィリーズと7年1億7200万ドル(2024~30年)の再契約を交わした。

 この総額は、投手の歴代11位に位置する。フィリーズが投手と交わした契約のなかでは、最高の総額だ。コール・ハメルズの延長契約、6年1億4400万ドル(2013~18年)を上回った。

 これまでに総額3億ドル以上の契約を得た投手は、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)だけだ。2019年のシーズン終了後に、ヒューストン・アストロズからFAになり、ヤンキースと9年3億2400万ドル(2020~28年)の契約を交わした。

今オフ、山本由伸(オリックス・バファローズ)は、総額3億ドル以上の契約を手にする2人目の投手になるかもしれない。ジ・アスレティックのジェイソン・スタークによると、10年3億ドルと予想しているエグゼクティブがいるという。

 その予想どおり、3億ドルに達するかどうかはさておき、トップ10にランクインするのは間違いなさそうだ。

筆者作成
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 日本プロ野球で残した素晴らしい実績に加え、山本には若さがある。来シーズンの年齢(6月30日時点)は25歳だ。投手の契約総額トップ20に名を連ねる21人のうち、契約1年目のシーズン年齢が25歳以下は、2014年の田中将大(当時ニューヨーク・ヤンキース/現・東北楽天ゴールデンイーグルス)しかいない。当時の田中も25歳。ポスティング・システムを利用し、東北楽天からヤンキースへ移った。

 契約1年目に26歳も、2014年のクレイトン・カーショウ(当時ロサンゼルス・ドジャース/現FA)のみ。21人の平均年齢は29.6歳、3分の2の14人は29~31歳だ。来シーズンのノラは31歳。来年の6月初旬に誕生日を迎える。今シーズン、2度目のサイ・ヤング賞を受賞したブレイク・スネル(当時サンディエゴ・パドレス/現FA)も、来シーズンの年齢はノラと同じ。数日前に31歳となった。

 契約総額トップ20の投手たちが、その契約1年目に記録したスタッツは、以下のとおり。

筆者作成
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 なお、リリーバーの契約総額トップは、エドウィン・ディアズ(ニューヨーク・メッツ)の5年1億200万ドル(2023~27年)だ。こちらは、今オフ、ジョシュ・ヘイダーがさらに高額の契約を手にする可能性もある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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