2年1425万ドルの延長契約は妥当なのか。夏に移籍後は防御率0.76だが、それまでの防御率は6.00
10月25日、アトランタ・ブレーブスは、ピアース・ジョンソンと2年1425万ドルの延長契約を交わしたことを発表した。2024年と2025年は、どちらも年俸700万ドル。2026年は、こちらも年俸700万ドルの球団オプションで、ブレーブスがそれを破棄する場合、ジョンソンは解約金の25万ドルを手にする。700万ドル+700万ドル+25万ドル=1425万ドルだ。
3ヵ月前、ブレーブスは、メジャーデビュー前の投手2人と交換に、コロラド・ロッキーズからジョンソンを獲得した。移籍後、ジョンソンは、24登板で23.2イニングを投げ、防御率0.76を記録した。ディビジョン・シリーズの3登板も無失点。第1戦は、登板中に0対2から0対3とされたが、これは、前の投手が出塁させた走者が捕手の打撃妨害によってホームインしたものだ。
ただ、移籍前は、43登板の39.0イニングで防御率6.00だった。クローザーとして投げていたが、途中でその役目を降ろされた。
ポストシーズンを含めても3ヵ月に満たないスパンの好投に対し、年俸700万ドルの複数年契約は、少し払いすぎという見方もできよう。
もっとも、2019年の阪神タイガースを経て、メジャーリーグへ戻ってサンディエゴ・パドレスで投げた3シーズンは、2020年が20.0イニングで防御率2.70、2021年が58.2イニングで防御率3.22、2022年は14.1イニングで防御率5.02。トータルすると、防御率3.39となる。今シーズンの移籍前も、打者天国のクアーズ・フィールドで投げた試合を除くと、防御率は4.11まで下がる。
また、ブレーブスに移ってから、ジョンソンは、カーブの割合を増やした。スタットキャストによると、8月は全投球の73.6%をカーブが占めた。9月も73.0%だ。それまでの4ヵ月も、カーブは他の球種より多かったが、その割合が60%に達した月はなかった。
ブレーブスは、ジョンソンにカーブの増加を指示し、その結果が吉と出たことで、延長契約に踏み切ったのではないだろうか。
過去3シーズンと今シーズンの移籍前は、与四球率4.00を下回ったことがなく、移籍後の与四球率1.90は出来すぎの感もあるものの、奪三振率12.17はそれまでとあまり変わっていない。防御率0点台の継続は無理でも、セットアッパーとして投げ続けることはできそうな気がする。